【はじめての人】女「その気持ちわかるよ、私・・・」。田舎で出会った女の秘密の内容とは・・・そして、そこから感動の物語がはじまる・・・・

俺は今20歳、ニート
学校には通っていて友達もいたし
高卒だが就職もしていた

 

しかし

 

色々あったが簡単に言うと
信頼していた人に裏切られこの有様だ。

 

まあそれはどうでもいいが、
ネトゲのアップデートが長過ぎる。

 

定期メンテで延長、延長、延長
ついに20時間を突破した。

 

仕方ないからネットに書き込み

 

タイトル「暇、助けろ」

 

スペックでも晒してみる。

 

20歳♂
172センチ
53キロ
ニート

 

案の定、働けと叩かれるか
ニート仲間から擁護されるか
まあいつもの感じだ

 

そんな中いつもの感じじゃないやつが一人いた。

 

そいつは「俺が助けてやるよ」
って言ってる。

 

オレ「どうやって?」

 

そいつ「とりあえず会おうぜ!」

 

オレ「出会い厨かよ」

 

そいつ「そうだよwwwいいからここにメールしろよ ◯×△□@yahoo.co.jp」

 

俺は暇だったし、

たまに釣られるのも悪くないと思いメールしてみた。

 

「釣れますか?」

 

するとすぐに返信がきた

 

「お前2週間くらい外出できない?」

 

俺「いきなりすぎだろ、しかも2週間とか長過ぎだろ」

 

そいつ「だよなwwwじゃあ一回会おうぜ、俺墨田区に住んでるんだけど」

 

俺「まじかよ、オレ曳舟なんだけど」

 

そいつ「まじ?俺向島なんだけど」

 

驚いた、こんなに近くにいたとは。

 

チャリでおそらく10分かからないだろう。

 

結局曳舟のヨーカドーに入ってる
ドトールで待ち合わせすることにした。

 

とりあえず一番安いコーヒーを頼んで

入口に近いところで待ってみる。

 

7分程経った頃、それっぽい人が来た。

 

服装は、でかい目玉のパーカーを
着ているといっていた
なるほどわかりやすい
そいつに手を振ると近づいてきた。

 

そいつ「ニート?」

 

俺「失礼だな、そうだよwww」

 

初対面なんだが珍しくあまり緊張しなかった。

 

お互い軽く自己紹介。

 

そいつ(以後カトウ)は小柄で童顔だった
年上の女性にもてそう、かわいーって感じで。

 

カトウもコーヒーを頼んできた。

 

そしてちょっと話してみる。

 

カトウはスケボーやスノボーが趣味らしい。

 

カトウ「冬になったらスキー場行こうぜ!」

 

俺「えー、転けるじゃん」

 

カトウ「それがおもしろいんだよ、頭から突っ込んで抜けなくなったときはマジで爆笑したわ。連れに出してもらったんだけど耳の穴と鼻の穴に雪詰まってて連れも爆笑してたよw」

 

まあカトウと一緒ならいいかな、

と思っている自分がいることに気づいた。

 

そんで

俺「じゃあいいとこ連れてってよ」

 

カトウ「お!まかせとけ!」

 

数年振りに予定が決まった瞬間である。

 

それからもよくカトウと会って遊んでいる。

 

カトウはバイクに乗っていてよく後ろに乗せてもらっていた。

 

ネトゲはあまりやらなくなっていた。

 

そろそろアカウント消そうかな。

 

カトウは19歳で、学校に通っていた。

 

靴を作る学校だそうだ。

 

将来は自分の工房を持ちたいんだそうだ。

 

そして7月になったとき、カトウからメールが送られてきた。

 

「2週間くらい外出しない?」

 

カトウが最初にメールで送ってきたやつだ。

 

最初にカトウにあったのが4月の中ば、

カトウとはかなり仲良くなってたと思うし、カトウが居れば大丈夫だろう、っていう安心感があった。

 

俺「たぶん大丈夫だよ、どっか旅行?」

 

カトウ「まあそんな感じかな」

 

俺「どこいくんだ?」

 

カトウ「長野のほうだよ」

 

長野か、行ったことないしいいかも。

 

俺「じゃあ予定決まったら教えて」

 

カトウ「了解!」

 

2日後にカトウからメールが来た。

 

カトウ「7月15日から31日って大丈夫?」

 

俺「大丈夫だよ」

 

カトウ「オッケー、とりあえずお前ん家行くわ」

 

俺「はいよー」

 

10分後、カトウが来た。

 

カトウ「おーす」

 

俺「おーす」

 

カトウ「お邪魔しまーす」

 

どうでもいいがカトウは挨拶がきちんとできるやつだ。

 

カトウ「じゃあ7月15日から長野の農家に行くから」

 

どうでもいいがカトウは突拍子もないことを言い出すやつだ。

 

俺「はぁ?」

 

カトウ「大丈夫、楽しいから!」

 

俺「無理無理!、大変だし迷惑かかるって」

 

カトウ「農家にはもう話してあるよ、ヒョロヒョロだけど大丈夫ですか?って」

 

俺「なんて言ってた?」

 

カトウ「笑ってた、んで大丈夫だって」

 

俺「覚悟を決めるか…」

 

カトウ「ちなみにかわいい子が居るよ」

 

俺「先に言えよ…覚悟を決めたぜ…!」

 

そして持ち物を書いた紙を渡された。

 

・歯ブラシ ・着替え ・作業着 ・カメラ ・長袖上着 ・早寝早起き俺「サンキュー」

 

カトウ「昼間は暑いし夜出発でもいい?14日の夜6時くらい」

 

俺「大丈夫だよ」

 

カトウ「了解、たぶん3.4時間で着くと思う」

 

俺「おっけー」

 

そして出発当日の夜、カトウから電話が来た。

 

カトウ「家の前着いたぜー、準備できてるか?」

 

俺「すぐ行くわ」

 

俺はドキドキしながら外に出た、不安とワクワクの入り混じった感覚だ、こんな感覚は何年振りだろう。

 

カトウ「よし、行こうか!」

 

俺「おう!」

 

バイクに跨がり、エンジンをかける(カトウが)。

 

明日はどんな日になるのだろう。

 

早起きできるかな、そんなことを考えながら夜の道を走る。

 

途中何度か休んだり夕飯を食べたりしながら走り続ける。

 

そしてとある駅についた。

 

時間は9時20分前、目的地はもうすぐのようだ。

 

そして9時40分頃、到着。

 

綺麗な家だ。

 

洋風の建物、日本家屋を想像していた俺はちょっと意外だと思った。

 

チャイムをならすとバタバタという足音がいくつか、カトウは扉を開けて入る。

 

おいおい待たないのかよと心の中でツッコミながら、

カトウ・俺「お邪魔しまーす」

 

玄関で待っていたのは母娘弟の3人、俺はたじろぐが、みんな優しそうでちょっと安心。

 

カトウは何度か来たことがあるようで慣れた感じだ。

 

とりあえず簡単に挨拶してお土産渡して

風呂入らせてもらって、

ケツがが痛かったのもあるし

今日はすぐ寝ることにした。

 

俺たちはすぐに眠りに着いたようだ。

 

そして目が覚めると5時45分。

 

1階に降りると娘が朝食を作っていた。

 

俺「おはようございます」

 

娘「あ、おはよーございます、よく寝れました?」

 

俺「こんなに爽やかな目覚めは初めてです」

 

娘「それは良かったですw」

 

俺「じゃあカトウ起こして犬の散歩行ってきますね」

 

娘「はい、お願いしますね」

 

中々の滑り出しじゃないか?
とか思いながら俺はカトウを起こし
頼まれていた犬の散歩に出かけた。

 

外にでると自然がすごい、
葉っぱが濡れてキラキラしている。

 

空気もひんやりしていてとても気持ちが良い。

 

説明が下手すぎて申し訳ない、実際行けばよくわかる。

 

犬は黒い色で、やたらモフモフしていた。

 

リードを繋いだ瞬間ダッシュする。

 

俺は情けない声を出しながら必死で犬を止めた。

 

カトウは眠そうにしながらニコニコしている。

 

散歩コースは家の周りの道をぐるっと回るようなコースで、1周15分程だ。

 

散歩を終えるとテーブルに朝食が並んでいる。

 

トースト、サラダ、目玉焼き、牛乳。

 

うまい。

 

朝食を食べ終え、
作業着に着替えると6時45分くらいになっていた。

 

7時に畑に来るように言われていたので
長靴を履き、帽子を被って出発する。

 

畑に着くと娘の父と母がキャベツの収穫していた。

 

(これからは父→吾郎さん、母→夏美さんと書きます。)

 

カトウ・俺「おはよーございまーす!」

 

吾郎さん・夏美さん「おはよー!」

 

カトウ「よし、やろうぜ!」

 

俺「なにすればいいんだ?」

 

カトウ「とりあえず箱詰めされてるやつをトラクターに詰むか」

 

俺「了解!」

 

これがなかなか重い、

1箱だと余裕だが

2箱になるとちょっと持てない。

 

一方カトウは2.3箱まとめて運んでいる。

 

俺も負けじと2箱に挑戦するが
足元がおぼつかない。

 

カトウは笑いながら無理すんなー!って言っている。

 

まだ先は長いしここはカトウの言う通りにしようと思った。

 

その代わり1箱をなるべく早く積むようにした。

 

ちなみにキャベツにはサイズがあって
サイズごとにうまく積むのはちょっと頭を使う。

 

そんなこんなで箱詰めされたものは積み終わり、カトウは包丁でキャベツを収穫し始め、俺は箱詰めされたものを運ぶことになった。

 

箱詰めにもコツがいるらしく、
サイズを見極めたりしなければいけないみたいだ。

 

俺にはまだ早いかな。

 

そして8時ころにトラクターが一杯になった。

 

120箱くらい積んであるそうだ。

 

カトウは吾郎さんと出荷に行ったので

俺は夏美さんに教わりながら

キャベツを収穫させてもらった。

 

包丁を使って切るだけなんだがなかなか難しい。

 

夏美さんは2回切るだけで

箱詰めできる状態にできるのだが、

俺は3回4回切らないとその状態にはできない。

 

そんな感じで収穫していると、

トラクターが帰って来たので第二弾開始だ。

 

その日の収穫が終わったのは日が完全に登った9時40分頃だと思う。

 

そこで少し休憩。

 

売り物にならない小さ目のキャベツをくれた。

 

(といっても地元のスーパーで見かける物より大きい)味付けもせず丸かじり。

 

これがとれたてキャベツか、

みずみずしくてほんのり甘味を感じる

俺はそのままキャベツ一玉完食した。

 

今日の出荷はこれで終わりらしい。

 

午後は他の畑に行って草取りやネットを張ったりした。

 

朝はとても涼しく

少し肌寒いくらいだが

昼間はさすがに暑いし

太陽がなんだか近い気がする。

 

汗だくになりながら作業する。

 

最初はなんでこんなことになってんだ?とか思ってたけど気づいたら黙々と草を抜いてた。

 

畑がきれいになると達成感も得られてなかなか楽しい。

 

夕方の5時くらいに娘が迎えに来て

その日は終了になった。

 

夕方の犬の散歩もおわらせる。

 

もうクタクタだ、
とりあえず風呂に入る。

 

これが超絶気持ち良い、

湯船に浸かったとき、

思わずア゛ーって言ってしまった。

 

風呂から上がり、夕飯を食べる。

 

最初の日はカレーだった。

 

これもマジでうまい、
無言でひたすら食べる。

 

2回おかわりした。

 

ひと段落ついて農家一家とおしゃべりの時間。

 

夏美さんはちょっと天然な感じでおもしろい、娘はその遺伝だろう、ちなみに娘は19歳で弟は小学3年だそうだ、弟はまだ8時過ぎなのに眠そうにしている。

 

経緯は覚えてないが夏美さんの「社長と呼べー!」

 

という一言で夏美さんのあだ名が社長になった。

 

そんな感じで10時前くらいになったので寝ることにした。

 

次の日の朝、俺は激痛で目が覚めた。

 

カトウがニヤニヤしながら俺の腕や足を叩いてる。

 

カトウ「おう、おはよう」

 

俺「おはよう、知っててやってるだろ」

 

カトウ「次の日に筋肉痛がくるのって若い証拠らしいよ、良かったじゃんw」

 

俺「…」

 

カトウ「まー怒るなって、明後日くらいには筋肉痛も治ってるって」

 

俺「だといいな…」

 

そして1階に降りるのだがこれが辛い、

しかし娘が笑って見てる、

うーん、アリですね。

 

そして犬の散歩に出かける。

 

今のところ人生最悪の犬の散歩となった。

 

ヒィヒィ言いながら散歩を終わらせ、朝食を食べる。

 

うん、うまい。

 

そして時間になったので畑に向かう、まともに運べるのか心配だ。

 

畑に着くと吾郎さんがニヤニヤしながら無理しなくていいぞー!って言ってる。

 

俺は負けず嫌いな性格で、全然大丈夫です!余裕です!と言ってしまった。

 

吾郎さんは笑ってる。

 

カトウ「よしやるか!」

 

俺「お、おう!」

 

2日目ということもあり要領はわかってきている、だが体が動かない、もう全身筋肉痛だ。

 

帰りてー…とか思ってると、

カトウが「40箱運んだら楽になるよ」

と言ってきた。

 

俺は半信半疑のまま40箱目指して運び始めた。

 

最初はめちゃくちゃ痛かったが、

だんだん慣れてきたのか

本当に痛くなくなってきたようだ。

 

そしてその日もなんとか出荷を終えた。

 

出荷が終わったあと吾郎さんに「中々根性あるなー!」

 

と言われたのが素直に嬉しかった。

 

その日の午後は、

天気も悪かったので倉庫で

出荷用の箱を作る作業だった。

 

変な機械に箱を通すと

テープを貼ってくれるので、

それを積み上げていくというもの。

 

これはかなり楽しい。

 

倉庫にあったレールとかを使って

勝手に箱が流れていくようにしたりして遊んでた。

 

途中で弟も来て、
カトウと弟は走り回りながら箱を積んでいった。

 

俺は筋肉痛だったので箱を流す係り

 

その日はそんな感じで終了。

 

その日の夕方にイベント発生。

 

吾郎さん「俺君って免許もってる?」

 

俺「はい、ありますけど」

 

吾郎さん「じゃあちょっと娘迎えにいってくれない?」

 

俺「え、マジですか、どこですか」

 

吾郎さん「駅までなんだけどさ、道かるでしょ?」

 

俺「来るときに通ったのでだいたいわかりますけど…」

 

吾郎さん「じゃあよろしくねー」

 

そう言って吾郎さんは俺に鍵を渡し、何処かに出かけていってしまった。

 

俺は迷ったら困ると思いカトウも誘った。

 

俺「カトウー、駅まで行かない?」

 

カトウ「えー、行けないわー」

 

俺「なんで?そういえば社長は?」

 

カトウ「俺は弟と遊んでないと、社長は買い物行ったよ」

 

俺は仕方なく一人で行くことに、緊張する。

 

車の運転も久しぶりだ、
MTだったら発進できなかったかもなー
とか考えながら駅を目指す。

 

幸い迷うことなく駅に到着。

 

出口近くで待っていると娘が出てくる。

 

娘はすぐに気づいたようでこっちに向かってくる。

 

逃げちゃダメだ

逃げちゃダメだ

逃げちゃダメだ…

 

娘が車に乗り込んでくる。

 

もちろん助手席に。

 

とりあえず出発

 

娘「迎え俺さんだったんですねー、ありがとうございます。」

 

俺「いえいえ、でも不用心な家ですね、今カトウと弟しか家に居ないですよ」

 

娘「カトウくんは何度か来てもらってますからねw」

 

カトウくんか…うらやましい…

 

娘「ところで俺さんは学生なんですか?」

 

俺「…」

 

(うわあああああああああ)

 

俺「実は…俺ニートなんだよね!」

 

(言っちまったあああああああ)

 

娘「へーニートなんですか!ニートってもっと暗くて太ってるイメージでした、偏見はよくないですね」

 

俺「そ、そうなんだよね!」

 

(なんとかなったのかあああああ!?)

 

俺「ところで娘さんも敬語使わなくていいよ、俺こんなだし」

 

娘「あ、ほんとですか?実は私も敬語苦手なんだよね、学校も小さくて先輩後輩みんな友達みたいなところでさw」

 

俺「なんかそういうのっていいねぇ、温かみがあるっていうか」

 

(切り替え早え!あとちょっと否定して欲しかった…)

 

そんなこんなで家に着き、夕飯を食べてダラダラして寝ました。

 

天然ってすごいと思った一日でした。

 

次の日の出荷は前日よりいくらか楽になってて良かった。

 

相変わらずカトウはモリモリ運んでる。

 

ザクザク切ってる。

 

そういえば初日の夜にカトウは

この辺に工房作りたいって言ってた

 

確かに良いところだ、

俺もこういうところに住みたい。

 

その日は午後は休みで地元を案内してもらった。

 

牧場があったりうまい飯屋があったりしてかなり楽しいところだ、やっぱここに住みたい。

 

そういえばスキー場もあるみたいだ。

 

俺「なあカトウ」

 

カトウ「ん?」

 

俺「カトウが連れてこようと思ってたスキー場ってここ?」

 

カトウ「おしい!この辺にスキー場結構あるんだよね、だからこの辺だけどここじゃないんだ」

 

俺「まじか、ちょっと楽しみだわ!」

 

カトウ「だな!早く冬ならないかな」

 

娘「私も行っていい?」

 

カトウ「いいぜー、ってか娘んち一家巻き込むつもりだったwww」

 

娘「なにそれww楽しみwww」

 

カトウ…お前今輝いてるよ…

 

娘「俺さんはスキーとかやるの?」

 

俺「えっ、いや、その、スキー場って行ったことないんだよねー」

 

娘「そうなんだ、スキーとスノボどっちやりたい?」

 

俺「そうだなぁ、どうせやるならスノボーかなぁ」

 

娘「」

 

カトウ「娘はスキー大好き人間だからな」

 

俺「あ、そうなんだ、うーん、悩むなぁ」

 

娘「さっきスノボって言ったじゃん…」

 

やばいいじけてる!?

 

カトウ「やっぱスノボっしょ!」

 

火に油じゃねーか

 

俺「まだ冬まで時間あるしゆっくり考えるよ!」

 

カトウ「やっぱスノボっしょ!」

 

てめーはだぁってろ!

 

そんな感じでワイワイしながら観光してた。

 

でも娘は地元だしカトウも何度も来てるはずなのに一緒にはしゃいでくれてありがたい。

 

その日もあっという間に夕方になって帰ることになった。

 

帰る途中に夕飯の買い物をする。

 

こんなことでもいちいち楽しいのが不思議だ。

 

その日の夕飯はグラタンだった、これもうまい、ブロッコリーがとくに気に入った。

 

あと天ぷら。

 

シシトウの天ぷらがめちゃくちゃうまかった。

 

最後に茹でたトウモロコシ食べたんだがこれが激甘うますぎてびっくりした。

 

農家って飯が異常にうまい。

 

腹も満足したところでいつものダラダラする時間。

 

今日は俺カトウ娘弟でゲームをやった。

 

デコピンでやるビリヤードみたいなゲームなんだがこれがすごく面白い。

 

みんなトランス状態みたいでなにが起きても爆笑、3年分は笑ったと思う。

 

気づいたら笑い疲れたのか弟が寝てたので、今日はお終い。

 

時間も時間だったのでお開きにして寝ることに。

 

横になったのはいいが中々寝付けない。

 

カトウに話しかけてみる。

 

俺「なあ起きてる?」

 

カトウ「…」

 

寝てやがった。

 

俺もいつの間にか寝てたようで、いつも通りの爽やかな朝を迎える。

 

1階に降りると娘が朝食を作っている。

 

俺「おはよー」

 

娘「あ、おはよー、昨日めっちゃ楽しかったねwww」

 

俺「すごかったなwww3年分は笑ったよwww」

 

娘「顔真っ赤だったよwww」

 

俺「娘もなwwwじゃあ散歩行ってくるよ!」

 

娘「いってらっしゃい!」

 

やべぇ良い感じだよ…さりげなく呼び捨てにしちゃったよ…

 

犬の散歩をしながら俺はここでの生活を思い出していた。

 

といってもまだ3日目くらいだが。

 

飯のうまさ、風呂の気持ちよさ、当たり前の日常になってて気づかなかったが楽しいこと嬉しいことってのは案外その辺にあるもんなのかもな。

 

この辺りまで考えたところで急に恥ずかしくなって考えるのをやめた。

 

犬もタラタラ歩くのに飽きたみたいでリードが許す限り縦横無尽に駆け回っている。

 

俺「走るか!」

 

犬「ハッハッハッ」

 

俺は全力疾走する。

 

犬は俺に合わせてか一緒に並走している。

 

ここでも俺の負けず嫌いが発揮され、犬を置き去りに駆け抜けたいと思った。

 

しかし現実は甘くない。

 

すぐにバテてしまい、駆け足がやっとだ。

 

しばらくして歩き始める。

 

爽やかな朝だ。

 

家に着くと朝食が用意されている。

 

カトウも外でなんかしてたみたいで玄関から入ってくる。

 

とりあえずコーヒー牛乳を一杯。

 

うまい。

 

俺は結構汗をかいてたみたいで娘に聞かれた。

 

娘「なんでそんなに汗かいてんの?」

 

俺「犬に挑んだら負けた、悔しい」

 

娘「もうあの犬おばあちゃんなのにwww」

 

俺「…いただきまーす」

 

カトウ「いただきまーす!」

 

娘「召し上がれ!」

 

いつもの時間、作業着に着替え畑に向かう。

 

筋肉痛も良くなって体が軽い、今日なら二箱に挑戦できそうだ。

 

しかし最初の3回くらいだけ運べただけで結局1箱ずつに。

 

まあ初日は1回もできなかったし良しとしよう。

 

この日の午後は草取りをやった。

 

こちらも要領を掴んで来たようで、前よりも広い範囲を終わらせることができた。

 

どうでもいいけど爪の間に入った土って中々取れないな。

 

この日の夜は娘がピアノを弾いてて俺とカトウはそれを聴いてた。

 

クラシックとかよく分からんがカノンだけは分かった。

 

カトウはいつの間にか寝てたので、娘とニヤニヤしながら服の中に氷を入れてみる。

 

娘「どうなるかな?w」

 

俺「キレたらやだなぁw」

 

氷ポロン

 

カトウ「…んっ!んんんん!?」

 

跳ね起きるカトウ

 

娘・俺「あははははwww」

 

カトウ「なんだよ、ひでーなw」

 

眠そうな顔でニコニコしてる

 

俺「上いこーぜ!」

 

カトウ「そうすっかー」

 

娘「おやすみー!」

 

カトウ・俺「おやすみー!」

 

こんな感じで毎日が過ぎてゆく。

 

午後の時間を何度か使って

倉庫で犬小屋を作った。

 

犬小屋にはでかい穴が空いていて、

冬になると家の下にもぐりこんでいるらしい。

 

だからあんなにモフモフに

なったのかなーとか考えながら犬小屋を作る。

 

道具は揃っていたのでそんなに大変なことは無かった。

 

完成した犬小屋を軽トラに載せるのが大変だった。

 

あとは薪割り、これはすごかった。

 

俺は斧を使ってやるもんだと思い、意気込んでた。

 

斧を使うのはちょっと慣れた物だったからカッコイイところ見せれると思ってた。

 

しかし現実は甘くない。

 

薪割り機なるものがあり、木をセットしてレバーを下げるだけで薪を割ってくれる。

 

木にはフシという硬い部分がある。

 

しかしそんなものはお構いなしにバリバリ割っている。

 

わーすげー(棒)

 

そして8日が経って折り返し地点にきた。

 

この頃には結構体力がもどってきて働いた後に遊ぶくらいの余裕も出てきた。

 

あまり大きい声では言えないが、チャリで4ケツしたのも良い思い出だ。

 

カトウはサドルに、娘と弟は荷台に

俺はサドルとハンドルの間に

ちょっと納得いかないが楽しかったのは事実だ。

 

カトウ「マジこけるかと思ったわwww」

 

俺「いやいや、マジ死ぬかと思ったわwww」

 

娘と弟はずっと笑ってた、夕陽がキレイですなー

 

ある日の夜、俺はこの家でスラムダンクを見つけた。

 

全巻揃っていたので迷わずページを開く。

 

湘北対陵南の練習試合を読んでいると、後ろから声をかけられた。

 

娘「まだ起きてたんだ」

 

俺「つい懐かしくてね、俺中学までバスケ部だったんだ」

 

娘「そうなんだ、ちょっと外行かない?」

 

俺「いいけど真っ暗だよ?」

 

娘「いいからいいから」

 

娘に促されるまま外にでてちょっと歩く。

 

街頭も無く真っ暗だ。

 

娘は懐中電灯を持っていたが、それを消した。

 

娘「上見てごらん」

 

言葉が出なかった。

 

ビルに囲まれた世界で産まれた俺はこんな景色が日本にあるなんて知らなかった。

 

俺「すげー…」

 

アホみたいだが言葉がみつからないときはこんなもんだ。

 

俺「星ってこんなにあったんだなぁ…」

 

感動のせいか一筋涙が流れた。

 

まあ暗いから大丈夫だろう。

 

しかし現実は甘くない、娘が俺を照らしやがった。

 

娘「あ!泣いてる!w」

 

俺「泣いてねーしwあくび出ただけだしw」

 

娘「その気持ちわかるよ」

 

娘が急にトーンを落とした口調で喋り始めた。

 

娘「私も一人で泣きたくなるとここに来るんだ」

 

俺「そうなんだ、景色すごいもんね」

 

娘「うん、この星達みてると自分の悩みの小ささを実感できるっていうか、まあ現実逃避に近いかもね」

 

俺「今もそうなの?」

 

娘「私、カトウくんが好きなんだ」

 

俺はちょっとショックだったがすぐに納得できた。

 

俺「カトウは本当に良いやつだよ、俺が保証する」

 

娘「あははwありがとうw」

 

娘「でもカトウくんはいつもすぐ居なくなっちゃうんだ」

 

俺「また来るよ」

 

娘「うん、でもやっぱり苦しいんだよ、今年は俺くんが来てくれて良かった、なんて言えばいいかわからないけど、安心できたよ」

 

俺「俺はほんとに偶然ここに来たんだよ」

 

娘「そういうのは奇跡っていうんじゃない?うわ、恥ずかし!w」

 

俺「恥ずかし!w」

 

娘「やめろーww」

 

娘「カトウくん一人のときは嬉しいんだけど苦しいんだ、でも今年は純粋に楽しかった、また来てね?」

 

俺「また来るよ、ニートだからw」

 

娘「仕事みつけなさいww」

 

俺「そんなに簡単に見つかったら苦労しねーよ…」

 

わかるだろ?

 

娘「じゃあ次に会うのは冬かな?」

 

俺「そうなるね」

 

娘「長いなー…」

 

俺はなんて声をかければいいかわからなかったが、星達を見てて気づいたことをそのまま口に出した。

 

俺「まあ星達に比べたら何ヶ月かなんて一瞬だよ、瞬きしてまぶた閉じる途中くらいだよ」

 

俺は真面目に言ったのに彼女には可笑しかったみたいで笑い出した。

 

娘「あはははwww恥ずかしーwww」

 

俺「うるせーわーwwww」

 

娘「あははwwごめんwwあははw」

 

俺「人がせっかく慰めてやろうと思ったのにwww」

 

娘「ごめんってw笑ったらスッキリした、ありがと!」

 

俺「おう!wなんか納得いかないけどww」

 

娘「まーまーw帰ろっかー」

 

俺「そうすっかー」

 

帰り道もダラダラ話して帰宅。

 

時間は確か日付変更前くらい。

 

ここに来て初めての夜更かしだ。

 

娘「おやすみー、寝坊するなよーw」

 

俺「娘もなwおやすみー」

 

次の日はちょっと眠かったがまあなんとか起きれた。

 

カトウはまだ寝てる。

 

なかなか起きれないのが玉にキズだな、なんて考えてると目覚ましが鳴り、カトウも起きた。

 

俺「おはよー」

 

カトウ「おはよー」

 

日課である犬の散歩中、カトウが話してきた。

 

カトウ「昨日は寝るの遅かったな」

 

俺はちょっとドキッとしたが隠すことでも無いと思い話した。

 

もちろん娘がカトウを好きなことは話してない。

 

カトウ「そっかー、ここの夜空は見ないと損だもんな」

 

俺「だなー、本当すごかったわ」

 

そんなことを話して散歩終了。

 

朝食を食べに帰ると、今日は和食が並んでいる。

 

ご飯味噌汁焼き魚、あとはほうれん草のおひたしとか

 

俺「今日はいつになく豪勢ですなぁ」

 

カトウは既に手を洗いに行っている。

 

どうでもいいがカトウは食事前には必ず手を洗うやつだ

 

カトウ・俺「いただいまーす」

 

娘「召し上がれ!」

 

俺は娘の声を聞くと飯が1.5倍うまくなる気がする、ヤバいヤバい。

 

ここでの生活も終盤に差し掛かった頃、

俺は自分がここでの生活に

慣れつつあることに気づいてショックを受けた。

 

収穫したものを箱詰めしたり

運んだりというのではなく

ここでの生活が当たり前になりかけていた。

 

ここに来て初日の新鮮さも

夜に見た星空も

当たり前になりかけていた。

 

俺は不安で仕方が無かった。

 

今日だけは夜が待ち遠しい。

 

星空を見たい。

 

そう思いながら過ごした。

 

そして待ちに待った夜が来た。

 

みんなが寝静まった夜10時、

俺は静かに布団を出て外に向かった。

 

懐中電灯はどこにあるかわからなかったが、今日は月が明るく、懐中電灯はいらないようだ。

 

ちなみに月で影ができるのも

この時初めて知った。

 

歩いて前に夜空を眺めた場所に向かう。

 

どうやら先客がいるようだ。

 

俺「おっす」

 

娘「おっす!」

 

俺「泣いてるのバレバレだよ」

 

娘「だよねぇ…」

 

俺「俺もここで眺めていい?」

 

娘「うん、いいよ…」

 

俺「やっぱすごいよな、すごい」

 

娘「なに言ってるの?当たり前じゃん」

 

俺はこの言葉にドキッとして、そして娘に聞いてみた。

 

俺「ここでの生活が当たり前になりそうで不安なんだけどさぁ、娘はここでの生活ってどうなの?」

 

娘「どういうこと?」

 

俺「初めてここに来た時、すげー、こんなところがあるのか、家にエアコン無いのか、扇風機すら無いのか、と思ったのに、もうそれが日常になりかけてて不安なんだ」

 

娘「なにが不安なの?」

 

俺「俺はここに来て生きてて良かったって思えたんだ、娘も奇跡だって言ってただろ?でもそれが当たり前になったら、なんかヤバいじゃん」

 

娘「私も今そんな感じだよ、カトウくんや俺くんが居るのが当たり前になりかけてる、でもあと二日しかない、さっきそれに気づいてここに来たの」

 

俺「そうなんだ、どうすればいいんだろうね?」

 

娘「どうしようねw」

 

俺「笑い事じゃないよーw」

 

娘「不安になったらまたここに来なよ、ここの自然は俺くんが生きてるうちは無くならないよ」

 

俺「カトウもここに工房作りたいって言ってたよ」

 

娘「ほんと!?」

 

俺「あ、聞いてなかったのか、言わない方が良かったのかな?」

 

娘「そうなんだ、楽しみだなーw」

 

俺「切り替え早いなwww」

 

娘「俺くんもねw」

 

俺「俺は娘が笑ってると安心できるんだよ」

 

言った後に気づいたがこれってマズいかな?と思ったが相手は天然、問題ない

 

娘「じゃあ私のスマイル見たらお金払ってねw」

 

俺「ぼったくりマックかよwでもなんか安心した、俺が東京に帰ってもこの星達は存在しててただ見えないだけなんだな」

 

娘「なんか恥ずかしーねw」

 

俺「もう恥ずかしくてもなんでもいいよw」

 

娘「私も俺くんに会えて良かったよ」

 

俺はもうこの言葉で十分だった。

 

けど恥ずかし過ぎて

 

俺「恥ずかしーw」

 

言っちゃったよ、はあ

 

娘「私は人に恵まれてるんだよ、自慢だけどw」

 

俺「羨ましいなぁ、俺は人に恵まれたのはカトウくらいだよ」

 

娘「カトウくんが良い人連れて来るから私は人に恵まれるんだよw」

 

もうカトウには敵わないな、

俺は素直にカトウと知り合いになれたことを誇りに思う。

 

俺「もう何に悩んでたのかわからなくなったわw」

 

娘「私もw」

 

俺「そんじゃ帰りますかー」

 

娘「そうしますかー」

 

そんで家について俺が思ったことを喋ってみた。

 

俺「俺たちちょっと贅沢だったのかもな、それでそれが無くなりそうになって焦ってたんだ。」

 

娘「あー、そうかも」

 

俺「もともと持ってなかったものを誰かがくれて最初は喜んでたのに、それがいつのまにかそれがあって当たり前になってて、でもそれを取り返されそうになるとやっぱり無くしたくないって思うんだ。」

 

娘「ちょっと欲張りだったかなぁw」

 

俺「俺カトウや娘一家に会えただけで人生満足だよw」

 

娘「それはちょっと欲張らな過ぎじゃない?w」

 

俺「これくらいで満足して喜んでるのがちょうどいいよ、もしまた良い人に会えたら超うれしいじゃん?w」

 

娘「たしかにw良いこと言うじゃんw」

 

俺「俺カトウとここに来れて本当に良かったよ」

 

娘「ありがとう、カトウくんにもお礼言っときなよw」

 

俺「おう!」

 

娘「じゃー寝ますか!」

 

俺「そーしますか!」

 

娘「おやすみ!」

 

俺「おやすみ!」

 

こんな感じで娘は笑いながら部屋に入っていった。

 

やっぱりここは良いところだ、失いたくない。

 

これも贅沢なのか?とか考えたが先ばかり考えて今ある幸せに気づかないのもアホらしいと思ったところで、恥ずかしくなってきて寝た。

 

そして最終日、夜はバーベキューをやるのがこの家の伝統なんだそうだ、俄然やる気が出る。

 

この頃には箱を1回で2箱運ぶのは当然、たまに3箱に挑戦してヒィヒィ言っていることすら珍しい光景では無くなっていた。

 

カトウも俺に触発されてか(俺の自惚れか)いつも以上に気合が入っているようだ。

 

午後も草をほとんど取り尽くしてしまい、箱もほとんど作り終え、薪も割り尽くし、何をしようかといったところだが、そこは農家、仕事など探せばいくらでもある。

 

俺とカトウは夕飯の買い出しに出かけた。

 

軽トラを借りて出かける。

 

実は俺は軽トラを運転するのが夢でもあった。

 

しかしMT。

 

不安だ。

 

カトウ「大丈夫か?汗すごいぞ」

 

俺「大丈夫、大丈夫…」

 

キーを回してエンジンをかける。

 

クラッチを切り1速に入れる。

 

アクセルを開け、徐々にクラッチを繋ぐ…動いた!

 

最初の壁を乗り越えればあとは落ち着いたものだ、まわりの景色を眺めながらゆっくり軽トラを走らせる。

 

窓を開けているだけで爽やかな風が吹き込んで来る。

 

この土地は良い最高だ。

 

やっぱ言うならこのタイミングかな

 

俺「なあカトウ」

 

カトウ「ん?」

 

俺「ここに連れてきてくれてありがとな」

 

カトウ「…」

 

返事が無い、ちらっとカトウの方を見ると涙を流してた。

 

俺「どうしたんだよ…!?」

 

俺は結構焦ったが、しばらくして落ち着いたカトウが話してくれた。

 

カトウ

 

「俺も昔この土地と娘一家に助けてもらったんだ。

俺高校の時鑑別所行ったりしてたんだ。

だけどふとこれじゃダメだって思って、

その時通ってた高校辞めたんだ。

それでまた一から高校入り直そうと思って見つけた高校で娘や他の友達と出会ったんだ。

今までの学校のイメージとだいぶ違う学校でさ、マジで楽しかった。

そこで俺は助けられた。

そんで俺は自分の中で、1回助けられたら3回誰かを助けるっていうルールを決めたんだ。

でも助けるって言っても難しいんだよね。

でもある日2ch見てたらさ、「暇、助けろ」

ってスレ見つけてもうこれだー!って思ってさ、でもお前から連絡来なかったらどうしよう、もし来てもどうやって助ければいいんだろう、

でもすぐにお前から連絡きてさ、もうあそこしかないって思ってここに連れてきてさ、

お前がここに来て良かったって言ってくれて本当嬉しかったんだよ、お前が俺が助けられた人1号だよw」

 

俺はもううれしくて仕方がなかった。

 

俺が立てたクソスレにこんなに真剣に向き合ってくれたヤツが居たことが。

 

そして、そいつと今、そいつの大好きな土地に居れることが。

 

俺もついうれしくて涙をちょっとだけ流してしまった。

 

そしたらその途端カトウが

 

カトウ「あ!泣いてる!何で?感動した?www」

 

俺「うるせーwwwわりーかwww」

 

カトウ「でも今気づいたんだけどさ、お前に助けられたって言ってもらえてなんか俺も助けられたんだよね」

 

俺「というと?」

 

カトウ「1回助けたら助ける回数が2回増えるってことw」

 

俺「それはいいなw」

 

カトウ「だろ?w最高だw」

 

俺たちは笑いながら町のスーパーまで軽トラを走らせた。

 

俺「着いたー、思ったより立派なスーパーだな」

 

カトウ「肉屋はあっちに良いところがあるよ」

 

野菜などはスーパーで買い、肉は精肉店っていうのかな?そこで買った。

 

肉なんてパック詰めされた物しか買ったことがない。

 

量を指定して買うというのは新鮮だ。

 

最後にカトウと俺で割り勘して花火セットを買った。

 

これは頼まれていないがサプライズだ。

 

カトウ「よし、帰って準備だな!」

 

俺「おう!」

 

そして家に着き、バーベキューの準備を始める。

 

さすがにカトウは何度もやってるみたいで手慣れたものだ。

 

4時頃になって娘と弟が帰ってきた。

 

プールにでも行ってきたのだろうか、髪が濡れている。

 

と思ったら肩から
クーラーボックスを下げている。

 

俺「どこいってたの?」

 

娘「川だよー」

 

俺「魚釣ったの?」

 

娘「釣ったよ!みてみて!」

 

俺はクーラーボックスを覗いて驚いた、デカい魚が10匹くらい入ってる。

 

20~30センチはありそうだ。

 

俺「すげー、これなんて魚?」

 

娘「これはイワナっていう魚だよ」

 

俺「へー、うまいの?」

 

娘「超うまいよwww」

 

俺「マジか、楽しみwww」

 

カトウは火を起こしている。

 

俺は娘と弟とイワナの下ごしらえをすることになった。

 

娘「とりあえず内臓出して渡すから塩付けてちょーだい」

 

俺「了解」

 

弟が新聞紙に塩をぶちまけてる

 

俺「え、そんなに使うの?w」

 

弟「そうだよww」

 

弟は魚に塩を付け始める。

 

もう付けるっていうかすり込む感じだ。

 

味濃過ぎじゃね?と思ったがここは従っておこう。

 

塩をつけた後は魚に串を刺す。

 

串は目から刺すらしい、口から刺すイメージだったので意外だった。

 

火が着いたみたいでカトウもイワナ組に混ざる。

 

カトウ「串を刺す時はな、スノボのキャンバーをイメージすればいいんだよ」

 

俺「ふーん?」

 

よくわからないがキャンバーというのはWのような形らしい、なるほどわからん。

 

とりあえずイワナをくねくねさせながら串に刺していく。

 

そして下ごしらえ終了。

 

1匹だけ違う魚が居ることに気づいた。

 

俺「この魚って違う種類?」

 

カトウ「よく気づいたな、それはニジマスっていう魚だよ」

 

俺「そうなのか、ニジマスの方がうまいのか?」

 

カトウ「俺はイワナの方が好きかな、食べ比べてみたら?」

 

俺「お言葉に甘えるわww」

 

吾郎さんと社長(夏実さん)も帰ってきたところでバーベキューが始まった。

 

早速吾郎さんは網一面に肉を並べた。

 

俺「え、野菜は焼かないんですか?」

 

吾郎さん「せっかく腹減ってるのに肉食わなきゃもったいないだろww」

 

俺「な、なるほど!」

 

吾郎さんが言うならそうなのだ。

 

カトウと弟は小さい焚き火を始め、地面にイワナの串を刺して焼いている。

 

すげぇ!漫画で見たやつだ!

 

俺「漫画みたいだ!」

 

カトウ「いいだろwww」

 

俺「すげーいいわwww」

 

カトウ「そういえば持ち物にカメラって書いておいたけど忘れた?」

 

俺「いや、持って来てあるけど使ってないよ」

 

カトウ「なんで?景色すげーいいじゃん」

 

俺「初日に一枚だけ撮ってみたんだけどさ、全然違うんだよ、迫力っていうのかな?」

 

カトウ「あー、わかるわそれ、俺も最初は写真撮ってたけどいつの間にか撮らなくなったわ、やるなw」

 

俺「だろwやっぱ写真は被写体には敵わないんだよw」

 

カトウ「カメラマンが居たら殴られそうだなw」

 

そう言って俺たちは笑った。

 

そういえばここに着てから笑ったり泣いたり、感情が素直に出てくる。

 

自然の中に居ると俺も自然体になれるのだろうか。

 

ちょっと恥ずかしくなってきたところで

 

吾郎さん「焼けたぞー!食えー!」

 

カトウ「よっしゃ!食うぜー!」

 

社長「食うぜー!」

 

夏実さんのキャラが未だに定まらない。

 

流石だ。

 

肉はもう肉!って感じ、タレ無しでもうまい。

 

そしてイワナとニジマス。

 

簡単に言えば超うまかった。

 

イワナの方がもうちょっとうまかった。

 

言葉が見つからないので気になる人は是非食べて見ることをお勧めする。

 

ただの野菜も外で焼いて食べるってだけで絶品料理に早変わりだ。

 

そしてこの家で採れたトウモロコシ。

 

炭火焼きで食べてみたがこれはちょっとうますぎた。

 

そして辺りも暗くなってきた頃、俺たちは食材を完食した。

 

そしてカトウはニヤニヤしながら軽トラに向かった。

 

花火を取りに行ったのだろう。

 

娘と弟も家に入っていった。

 

と思ったら出てきた。

 

カトウ「じゃーん!花火買ってきました!」

 

娘「え?毎年うちで用意してるのに」

 

カトウ「あれ、そうだっけ!?」

 

どうでもいいがカトウはたまに記憶を失うやつだ。

 

娘「まあいっぱい遊べるからいいじゃんwww」

 

カトウ「それもそうだなwww」

 

こうして花火大会が始まった。

 

カトウが調子に乗って火をつけまくってる。

 

煙がすごい、もはや煙幕だ。

 

カトウの姿は見えなくなった。

 

吾郎さんは座ってニコニコしている。

 

社長はビールを飲んでいる。

 

そして最後の締めにみんなで線香花火をやった。

 

吾郎さん「よーし、終わり!」

 

カトウ「終わりかー!」

 

名残惜しいがこれでここでの生活も終わりか…

 

弟「まだなんか残ってるよ?」

 

そう言って弟が取り出したのはヘビ花火。

 

とりあえず火を着けてみんなで眺める。

 

うにょー

 

カトウ「なんか締まらねーwww」

 

でもみんな笑ってる、

やっぱ笑ってるのはいい、

笑ってるだけで幸せになれる気がする。

 

違うな、笑えるってことは幸せなことなんだな。

 

この辺まで考えたが俺は恥ずかしくなったので考えるのをやめた。

 

食器などを簡単に片付ける。

 

炭などは明日の朝に片付けるそうだ。

 

俺「カトウ、明日何時に帰る?」

 

カトウ「そうだなぁ、午前に出荷手伝って帰るか」

 

俺「じゃあ午後には出発かぁ」

 

カトウ「帰りたくないだろ?」

 

俺「帰りたくないわ、でも帰る」

 

カトウ「お、ちょっと男らしいぞw」

 

俺「俺には俺の居場所があるからなw」

 

カトウ「ヒューヒューw」

 

ちなみにこれは口で言っている。

 

俺「東京でちゃんと生きてからまたここに来たいと思う。」

 

カトウ「おう、また連れて来るぜ」

 

俺「冬までにちゃんと生きるw」

 

カトウ「ちょっと女々しいぞwがんばれw」

 

そして最後の日の朝

 

いつもの時間に起き、

いつものように散歩に行き、

いつものように朝食を食べ、

いつものように収穫する。

 

東京での俺は明日が来ることが当たり前だと思っていた。

 

でも、もうここで当たり前に明日を迎えることはできない。

 

だから俺は今ちょっと嫌な感じだ。

 

いや、俺は気づきかけていたじゃないか、いつもあるものが当たり前じゃないということに。

 

俺は東京に帰ってもこのことを忘れない、まあたまに忘れるだろう。

 

でも思い出せる自信がある。

 

今日一日とりあえず頑張ってみよう。

 

収穫も終わり、昼ごはんもご馳走になった。

 

そして帰る支度をしていると吾郎さんは俺とカトウに封筒を渡してきた。

 

中を確認すると1万円札が何枚か入っているようだ。

 

俺「なんですか?これ」

 

吾郎さん「バイト代だよ、あれ、カトウくんから聞いてない?」

 

俺「聞いてないですよ?」

 

カトウ「言ってないですw」

 

俺「なんで言わなかったんだ?」

 

カトウ「お金とか余計なこと考えないでここに連れてきたかったからな、あとお前をちょっと試したのもあるw」

 

俺「ひでぇw」

 

カトウ「でもお前はここに来た、それはお前が本気だったからだよ」

 

俺「そうかもな、恥ずかしーw」

 

カトウ「うるせーw人がせっかく褒めてやったのにw」

 

俺「はいはいw吾郎さん、お金置いて行きます。また取りにきていいですか?」

 

吾郎さん「待ってるよ、今度は冬に来るんだろ?w」

 

カトウ「知ってたんですかw」

 

吾郎さん「娘がうれしそうに話してたからねw」

 

俺「じゃあまた来ます!」

 

吾郎さん「おう!」

 

帰る前に、もう一度だけカメラを使った。

 

みんなで集合写真を撮った。

 

みんないい笑顔だ。

 

カトウ「それじゃ帰ります、お世話になりました!」

 

俺「ありがとうございました、また来ます!」

 

娘「またね!待ってるよ!」

 

バイクに跨がり、エンジンをかける(カトウが)。

 

明日はどんな一日なるのだろう。

 

明日がどんな日になるのかは自分次第だということを俺は学んだ。

 

今はカトウに頼りっぱなしだ。

 

次は自分の力でまたここに戻ってこよう。

 

そんなことを考えながら昼の道を走る。

 

 

 

後日談:

【冬にまたあそこへ】

http://peterpanchannel.com/post-2173-2/

 

引用元:

2週間くらい外出しない?って言われた話

https://hayabusa3.5ch.net/test/read.cgi/news4viptasu/1413456202/

 


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