【秘密のサービス】女「サービスしますので一ヵ月だけでも新聞取ってください!」。。。女の言うサービスの内容とは・・・そして、最後には、毎日来ていた女が、突然姿を消した理由があきらかに・・・!?

女「お願いします!」

 

男「新聞ですか…」

 

女「読んでいれば共通の話題がたくさん増えますし」

 

女「自分の関心がいろんな方向に広げられます!」

 

男「なるほど…」

 

女「今なら一ヵ月1000円です!」

 

男「……それは安いですね」

 

女「そう思いますよね!」

 

女「月1000円なのは三ヵ月限定なんです。それからは定価の販売になります!」

 

男「(1000円なら安いような…)」

 

男「(でもネットで見て済むような内容だろうし…)」

 

男「すみません。今回は遠慮しておきます」

 

女「……」

 

女「そ、そうですか…」

 

グスッ

 

男「すみません」

 

女「いえいえ。お忙しい中ありがとうございました」

 

ペコ

 

バタン

 

男「(泣いてたな……)」

 

男「…………」

 

翌日

 

ピンポーン

 

女「すいませーん」

 

男「!」

 

女「すいませーん」

 

男「(……もしかして昨日の人?)」

 

女「すいませーん!」

 

男「(断った翌日に来るのかよ…)」

 

ガチャ

 

 

女「こんにちは。新聞一ヵ月の間でもどうですか?サービスしますよ!」

 

男「……」

 

男「昨日断りましたよね?」

 

女「今回は遠慮すると言われましたので!」

 

男「何を言ってるんですか」

 

女「そろそろ気持ちが変わったんじゃないかと思いまして」

 

男「……変わりませんよ」

 

女「そうとは限りません!」

 

女「是非この新聞の良さを分かっていただきたいんです!」

 

男「…………」

 

男「だから結構です」

 

バタン

 

女「……」

 

翌日

 

ピンポーン

 

女「すいませーん!!」

 

男「……」

 

男「いやいや…」

 

男「迷惑すぎるだろ……」

 

ガチャ

 

女「おはようございます!」

 

男「……もう3日連続じゃないですか。いい加減にしてください」

 

女「新聞取りませんか?他にはない情報がたくさん掲載されていますよ」

 

男「(通じてないのか……)」

 

女「一ヵ月でもいいんです!」

 

男「だから大丈夫です」

 

バタン

 

翌日

 

ピンポーン

 

女「すいませーん」

 

女「すいませーん」

 

女「……?」

 

女「うーん」

 

女「留守なのかな」

 

女「すいませーん」

 

スタスタ

 

男「……」

 

女「!」

 

女「お出かけだったんですね!」

 

男「…………まぁそうですけど」

 

女「どこに行ってたんですか?」

 

男「……古書店です」

 

男「というかあなたに関係ないですよね」

 

ガチャ

 

女「私も中に入っていいんですかね?」

 

男「何言ってるんですか。取る気ないんで他の人のところ行ってください」

 

女「まぁまぁそう言わずに」

 

男「犯罪です」

 

バタン

 

男「いつまで来るつもりなんだ」

 

男「……もうネタにできるくらいだな」

 

翌日

 

ピンポーン

 

ガチャ

 

女「はやっ!」

 

男「…………びっくりしてどうするんですか」

 

女「勢いよく開けてくれたってことは取る気になったんですね!」

 

男「違います。宅急便かと思ったんです」

 

女「そうでしたか」

 

女「何を注文されてたんですか?」

 

男「……関係ないですよね」

 

女「もう5日も通い詰めてるのに!」

 

男「いやいや他人です」

 

バタン

 

女「……」

 

翌日 夜

 

男「今回の映画は楽しかったな」

 

男「ジャンルも好みだったし…」

 

ピンポーン

 

女「すいませーん」

 

男「……」

 

ガチャ

 

女「こんばんは!」

 

男「……」

 

男「夜にも来るんですね」

 

女「はい!」

 

女「お昼に来たときは留守だったので!」

 

男「ていうか土曜日ですよ今日」

 

女「はい!」

 

男「……」

 

女「今日はどこにお出かけしてたんですか?」

 

男「個人情報です」

 

女「こんなかわいい子が聞いてるんですよ!」

 

男「……」

 

バタン

 

女「(今のは閉められてもおかしくないか……)」

 

翌日

 

ピンポーン

 

女「すいませーん」

 

男「え」

 

男「日曜まで来るのか…」

 

ガチャ

 

女「こんにちは!」

 

男「……暇なんですか?」

 

女「そんなことないです!」

 

女「しっかり仕事中です!」

 

男「……新聞は取りませんよ」

 

女「過去そう言ってきた人を何人も契約させてきましたから!」

 

女「自信はあります!」

 

ドヤッ

 

男「……」

 

男「もう諦めてください」

 

バタン

 

女「……」

 

翌日

ピンポーン

 

女「開けてください!!!」

 

ガチャ

 

男「ちょっと」

 

女「こんにちは!」

 

男「こんにちはじゃなくて」

 

男「静かにしてください」

 

女「……なるほど」

 

男「ほんとに分かってるんですか?」

 

女「来ないでくださいではなく静かにしてくださいということは来ること自体は了承してるんですよね!」

 

男「……」

 

男「ポジティブですね」

 

女「はい!」

 

男「でも取る気はないんで帰ってください」

 

バタン

 

女「……」

 

翌日

 

ピンポーン

 

男「……」

 

男「……」

 

男「ん?」

 

男「いつものうるさい声がしないな…」

 

ガチャ

 

女「……」

 

男「……?」

 

女「……」

 

女「お願いします……新聞取ってください……」

 

男「(いつもと雰囲気が違うような…)」

 

女「今日までに取れないとクビになるんです……」

 

グスッ

 

女「お願いします……」

 

ペコ

 

男「そんなこと言われても…」

 

女「……」

 

男「最初に来た時も泣いてましたよね」

 

女「はい…」

 

女「あの時も……」

 

女「あの日の内に契約取らないとクビだって言われてて」

 

グスッ

 

男「…………」

 

女「その時は違う人にいっぱいいっぱいサービスしたんです」

 

女「そしたら取ってくれたので助かったんです」

 

グスッ

 

男「(サービス…)」

 

女「……」

 

男「……」

 

女「……」

 

男「……」

 

女「……ふっ」

 

男「!」

 

男「今笑いましたね」

 

女「そ、そんなことないですっ」

 

男「……」

 

男「演技だったんですか」

 

女「……はー」

 

女「これでもダメなんですね……」

 

男「騙すつもりだったんですか」

 

女「テクニックのひとつです!」

 

ドヤッ

 

男「……うざっ」

 

バタン

 

女「……」

 

翌日

 

ピンポーン

 

ガチャ

 

男「……あぁ」

 

女「あぁとはなんですか!」

 

女「まったく失礼な」

 

男「断ってるのに毎日毎日来る方が失礼です」

 

女「そうですかね」

 

男「……」

 

女「今日も宅急便と間違えたんですか?」

 

男「……まぁそうですね」

 

女「何頼んでたんですか?」

 

男「……」

 

女「教えてくださいよー」

 

男「……本です」

 

女「本いいですね!」

 

女「私も漫画好きですよ!」

 

男「………それもまたテクニックのひとつですか?」

 

女「違いますよー」

 

男「そうですか。今日は忙しいんで帰ってください」

 

バタン

 

翌日

 

ピンポーン

 

女「すいませーん」

 

ガチャ

 

男「……ほんとに懲りないですね」

 

女「はい!」

 

女「漫画が好きなこと分かってもらうために来ました!」

 

男「……」

 

女「好きな漫画はドラえもんです!」

 

男「そうですか。じゃあ俺もドラえもん好きです」

 

バタン

 

女「…………」

 

女「(きっともう無理だ……)」

 

女「(それでも……)」

 

翌日

 

ピンポーン

 

女「すいませーん」

 

男「新聞いりません」

 

女「せ、せめて開けてください!」

 

女「顔だけでも覚えていってください」

 

男「もうしっかり覚えてます」

 

女「じゃあその顔を強く頭の中にイメージしてください!」

 

男「……」

 

女「できましたか?」

 

男「……まぁできましたけど」

 

女「会いたくなってきたでしょう?」

 

男「そんなことないです」

 

女「恥ずかしがらないでくださいよー」

 

男「……」

 

イラッ

 

女「そんなにイライラしないでください!」

 

男「……」

 

イラッ

 

女「開けてください!」

 

女「私が顔忘れそうなんです!」

 

男「そうですか」

 

女「そうですかじゃなくて!」

 

男「……めんどうですね」

 

女「そんなこと言わずに!」

 

男「…………」

 

ガチャ

 

女「!」

 

男「……」

 

カチカチ

 

女「携帯で何してるんですか?」

 

女「なるほど、連絡先の交換ですね! ちょっと待ってくださいよ…」

 

ガサゴソ

 

男「……」

 

ピリリリ

 

女「?」

 

男「もしもし警察ですか?」

 

女「つ、通報!?」

 

翌日

 

男「ふー」

 

男「今日の映画も良かったな」

 

男「ダメだったのはポップコーンの味くらい」

 

男「来週も楽しみだ」

 

男「……」

 

男「今日も夜来るんだろうか……」

 

男「……通報までしたから大丈夫か」

 

………

……

男「結局来なかったな」

 

男「……昨日で12日連続だったからな」

 

男「やっと解放された気分だ」

 

翌日 夜

 

男「……」

 

男「今日も…」

 

男「……」

 

男「まぁ来ないのが普通だからな」

 

………

……

 

男「……」

 

男「通報はやりすぎたのかな…」

 

男「……」

 

翌日 夜

 

男「……」

 

男「もう夜か…」

 

男「なんで気にしてるんだ」

 

男「……」

 

男「……」

 

男「飯作るか…」

 

ピンポーン

 

男「!」

 

ガチャ

 

「宅急便でーす」

 

男「……」

 

「こちらにサインお願いします」

 

男「はい」

 

カキカキ

「あざーす」

 

男「どもです」

 

バタン

 

男「……」

 

男「さすがに来なくなったみたいだな」

 

男「どうせ断るだけだからいいんだけど…」

 

翌日

ピンポーン

 

男「!」

 

ガチャ

 

女「来ました!」

 

男「……」

 

女「数日置く作戦は効きました?」

 

男「!」

 

女「その顔だと効果あったみたいですね!」

 

女「早速取ってみませんか?」

 

男「……なんですか作戦って」

 

女「訪ねようか迷ったんですけどちょっと焦らして様子伺おうかなと思いまして」

 

男「(まんまと引っかかったのか……)」

 

女「ほらほらどうです?」

 

女「さみしかったんですよね?」

 

男「……そんなことないです」

 

女「ほんとにそうですか?」

 

男「…………」

 

イラッ

 

男「通報したのにやめないんですか」

 

女「頑張ります!」

 

男「結構です」

 

バタン

 

女「(初めて手応えあったような)」

 

翌日

ピンポーン

 

女「すいませーん!男さーん!」

 

ガチャ

 

男「なんで名前知ってるんですか」

 

女「調査したからです!」

 

男「怖っ」

 

女「私くらいの腕前になると普通ですよこれくらい」

 

男「……そうですか」

 

女「あ、私の名前を教えてませんでしたね」

 

男「いや結構です」

 

女「女といいます!」

 

女「気軽に女さんとか呼んでください!」

 

男「呼びません。取らないんで帰ってください」

 

女「サービスしますよ!」

 

男「映画のチケットもトイレットペーパーもいらないです」

 

女「……くっ」

 

男「それがサービスだったみたいですね」

 

女「ち、違います!」

 

男「じゃあどんなサービスですか」

 

女「……かっ!」

 

男「?」

 

女「身体売ります! 今までもこれで勝ち取ってきました!」

 

バタン

 

女「!!」

 

女「なんで閉めるんですか!!」

 

ガチャ

 

男「こんなことで身体売るような人とは怖くて話してられません」

 

ペコ

女「う、嘘です!!」

 

男「……」

 

バタン

 

女「(うぅ……なんであんな事言っちゃったんだ……)」

 

翌日

 

ピンポーン

 

ピンポーン

 

ピンポーン

 

ガチャ

 

女「処女です!」

 

男「……」

 

バタン

 

女「し、閉めないでください!」

 

ガチャ

 

男「……なんですかいきなり」

 

女「昨日の話は嘘なんです。信じてください……」

 

男「情緒が不安定すぎる」

 

女「(本のタイトルみたい……)」

 

女「お願いします。新聞は取らなくていいんで信じてください!」

 

男「何を目的として来てるんですか…」

 

女「お願いします!」

 

男「わかりました。信じます」

 

女「良かったぁ…」

 

女「では失礼します!」

 

バタン

 

男「(振り回されすぎてるな)」

 

男「(……はっきり拒絶しないと)」

 

翌日

 

ピンポーン

 

女「また来ましたよー!」

 

女「開けてくださーい!」

 

ガチャ

 

男「随分フランクになりましたね」

 

女「そりゃもう男さんと私の仲ですから!」

 

男「……」

 

女「反応薄いですね」

 

男「納得できません」

 

女「うーん」

 

女「ていうか知ってます?」

 

女「明後日は大雨みたいですよ」

 

男「……新聞の勧誘はしないんですか?」

 

女「今日はそんな気分じゃないので」

 

男「…………」

 

男「……それは知りませんでした」

 

女「じゃあ気を付けた方がいいですね!」

 

男「そうですか。では」

 

バタン

 

!!

女「!」

 

ビクッ

 

男「はぁ……」

 

男「(もういい加減やめてほしい……)」

 

男「…………」

 

男「…………」

 

男「…………」

 

男「(明日言おう)」

 

男「(強く断らないとずっと来られるだけだ)」

 

男「…………」

 

翌日 昼

 

ピンポーン

 

男「(……そうか)」

 

男「(すでにこれでムカつくのか)」

 

女「すいませーん!」

 

男「(この声も……)」

 

女「すいませーん!!」

 

男「……」

 

イライラ

 

ガチャ

 

女「今日はちょっと出るの遅かったですね!」

 

ニコッ

 

男「……………………」

 

女「?」

 

男「言っていいですか?」

 

女「な、なんですか?」

 

男「迷惑なんです。毎日毎日」

 

男「最初はネタにでもなると思って付き合ってましたけど限界です」

 

男「呼び鈴の音が耳触りなんです。不快です」

 

男「熱心さはすごいと思いますけどもうやめてください」

 

男「違う人のところにいってください」

 

男「もう……」

 

男「もう来ないでください」

 

女「……」

 

ズキ

女「……そうですよね」

 

女「さ、さすがにこんなかわいい子でも毎日だとイヤになりますよね!」

 

アセアセ

 

女「なんちゃって……」

 

女「あはは」

 

女「……」

 

女「……」

 

グスッ

 

女「今まですみませんでした」

 

女「失礼します…」

 

スタスタ

バタン

 

男「…………」

 

男「…………」

 

女「…………」

 

スタスタ

 

女「おかしいなぁ」

 

女「もっとキツく言われたことだって何度もあるのに…」

 

グスッ

 

女「今までで一番苦しい…」

 

スタスタ

 

ピチャ

 

女「雨降ってきた…」

 

女「……」

 

スタスタ

女「家戻ろう……」

 

スタスタ

 

ピリリ

 

男「(……メールか)」

 

『明日はジブリにする?』

 

男『悪い。明日の映画行けない』

 

カチカチ

 

『えー』

 

男『なんか気分が乗らなくて』

 

カチカチ

 

『埋め合わせは?』

 

男『ちゃんとします』

 

カチカチ

 

『じゃあ焼肉連れてって』

 

男『おーけー』

 

カチカチ

 

『3回ね』

 

男「…………」

 

男『おーけー』

 

カチカチ

 

『やったー』

 

男『日曜なら映画多分行ける』

 

カチカチ

 

『わかった』

 

男『また明日連絡する』

 

カチカチ

 

『はーい』

 

男「財布確認しとこう…」

 

翌日 朝

 

男「すごい雨だな」

 

男「……」

 

男「……」

 

………

……

 

 

男「まだまだ降ってるな」

 

男「むしろ強くなってるくらいだ…」

 

男「映画断ってよかった」

 

男「…………」

 

夕方

 

男「あー」

 

男「警報まで出てきたな…」

 

男「こんなに降るなんて……」

 

男「せめて明日までには止んでくれるとうれしいけど」

 

男「………」

 

男「………」

 

男「………」

 

男「今日が雨でよかったかもしれないな」

 

男「わざわざ雨の中来させないで済んだし……」

 

男「昨日のうちにはっきり言っておいてよかった」

 

男「……いや心配する義理はないんだけど」

 

男「ていうか俺以外にも未契約いるだろうから雨は関係ないな」

 

男「…………うん。関係ない」

 

 

男「雨弱まってきたな」

 

男「……」

 

男「……」

 

男「飯作ろう」

 

男「……」

 

ガサゴソ

 

男「……」

 

ガサゴソ

 

男「米もないのか」

 

男「……」

 

男「……」

 

男「……買いに行こう」

 

ガチャ

 

男「!!」

 

男「え…」

 

女「……」

 

グッタリ

 

男「こ、こんなところで行き倒れ?」

 

男「てかあれって勧誘の人だよな…?」

 

男「ちょっと大丈夫ですか」

 

トントン

 

女「……うぅ」

 

男「やっぱそうだ」

 

男「私服見るの初めてだからピンとこなかったのか…」

 

女「……」

 

男「すごい濡れてるし…」

 

男「傘とかなかったのか?」

 

男「どうしよう…」

 

男「救急車呼ぶか」

 

女「…だ、大丈夫です……」

 

男「一応喋れるのか……」

 

男「質問は後にします」

 

女「うぅ…」

 

男「持ちますよ」

 

ヒョイ

 

男「軽っ」

 

女「……」

 

男「……」

 

スタスタ

 

男「……」

 

スタスタ

 

女「……あ、あったかいです……」

 

男「そうですか」

 

スタスタ

 

バタン

 

男「…………………………………………」

 

男「…………………………………………」

 

男「(覚悟しないとな……)」

 

男「まずはタオルと毛布か……」

 

女「あ、あの、もう平気です……」

 

女「帰れます……すみませんでした」

 

男「何をそんな甘えたことを言ってるんですか?」

 

女「……それはどういう……」

 

男「とりあえずはっきり喋れるようになるまで回復させないといけませんね」

 

女「すみません」

 

男「…………」

 

男「よく聞いてください」

 

女「……はい」

 

男「俺は今からあなたにひどいことをたくさんします」

 

女「……ど、どんなことですか」

 

男「言うとおりにしていればそれでいいです」

 

女「(こわい…)」

 

男「今から口答えしないことを約束してください」

 

女「はい…」

 

男「じゃあ」

 

女「……」

 

男「服を脱いでください」

 

女「……ぜんぶですか」

 

男「チッ」

 

女「すみませんすみませんすぐ脱ぎます」

 

男「……」

 

男「……」

 

スッ

 

女「それアイマスクですか?」

 

男「どうでもいいです。はやく脱いでください」

 

女「すみませんすみません」

 

男「見られたくないものは洗濯かごの下の方に入れて」

 

男「それ以外はその上に重ねて置いてください」

 

男「後で洗濯します」

 

女「……ぬ、ぬぎました」

 

男「じゃあこのタオルで身体拭いて」

 

男「この毛布にくるまっててください」

 

男「すぐ飲み物持ってきます」

 

女「……あ、ありがとうございます」

 

20分後

 

男「……もうそろそろ大丈夫か」

 

スッ

 

女「(またアイマスク…)」

 

男「こっち来てください」

 

女「は、はい」

 

……

 

男「指差してる近くにお風呂の照明のスイッチがあるはずなんでそれ付けて入ってください」

 

女「わかりました…」

 

男「お風呂はお湯溜めてないのでシャワーだけで我慢してください」

 

男「バスタオルはバスマットの上に置いてあるの見ましたよね?」

 

女「は、はい。見ました」

 

男「それ使ってください」

 

男「最長20分です。それ以上かかったら中に入ります」

 

女「!」

 

男「十分温まれば出てきてください」

 

男「それから全身拭き終ったら呼んでください」

 

男「わかりましたか?」

 

女「……はい」

 

………

……

 

男「とりあえず服探さないと」

 

男「ジャージと肌着と…」

 

男「…………」

 

男「本だけでも違う部屋に移すか」

 

20分後

 

女「そろそろ20分……?」

 

女「出ていいのかな」

 

ガチャ

 

女「バスタオルあった」

 

女「……」

 

フキフキ

 

女「……」

 

フキフキ

 

………

……

 

女「あ、あがりましたー!」

 

男「了解です」

 

スッ

 

女「(またアイマスクしてる…)」

 

男「これ着てください」

 

女「ありがとうございます」

 

女「……」

 

ガサゴソ

 

男「ちょっと待ってください」

 

女「?」

 

男「今何をしてるんですか?」

 

女「あ、あの下着を穿こうと…」

 

男「ダメです。多分まだ乾いてません」

 

女「でも…」

 

男「口答え禁止です」

 

女「……はい」

 

男「ジャージは穿きましたか?」

 

女「はい」

 

男「じゃあ上はこれです」

 

女「ヒートテックですか」

 

男「その偽物です」

 

女「(暖かい…)」

 

男「着ましたか?」

 

女「はい」

 

男「それからセーター着てください」

 

女「…ありがとうございます」

 

男「全部着ましたか?」

 

女「……はい」

 

男「……」

 

スッ

 

女「(やっと外した…)」

 

女「あ、ありがとうございます」

 

男「お礼はまだ早いですよ」

 

女「……?」

 

男「お風呂で身体洗ってキレイにしたんですよ?」

 

女「……はい」

 

男「これから何するかわかりますよね?」

 

男「大人なんですから」

 

女「!」

 

女「……は、はい」

 

ドキドキ

 

男「どうぞ」

 

女「…………」

 

男「早くしてください」

 

男「まだまだやることはあるんです」

 

女「…はい」

 

ピチャピチャ

女「(化粧水だった)」

 

女「(すごい恥ずかしい)」

 

ピチャピチャ

 

男「(もうかなり回復してきたかな…)」

 

男「次はドライヤーです」

 

女「……はい」

 

………

……

 

10分後

 

男「ココア飲めます?」

 

女「……はい」

 

男「それならどうぞ」

 

女「ありがとうございます」

 

男「もう寒くないですか?」

 

女「はい」

 

男「……ほんとによかった」

 

女「………」

 

女「あ、あの…」

 

男「なんですか?」

 

女「ジャージが…」

 

男「文句ですか?」

 

女「……すみません。なんでもないです」

 

男「言ってください」

 

女「……」

 

女「ちょっとスースーします…」

 

男「……」

 

女「すみません。文句ばっかり言って…」

 

男「いいんですよ」

 

男「出かけましょう」

 

女「!」

 

女「この格好で……ですか?」

 

男「貸した服が気に入らないんですか?」

 

女「そ、そういうわけじゃなくて…」

 

女「恥ずかしいです…」

 

男「下着がないからですか?」

 

女「……」

 

コク

 

男「自分で声に出して言ってください」

 

女「……」

 

女「ブラも着けてないしショーツも穿いてなくて恥ずかしいので行きたくないです…!」

 

男「そうですか」

 

女「(あ、あっさり!)」

 

男「じゃあ洗濯しましょうか」

 

女「……はい」

 

男「(言わせる系はもっと興奮するかと思ったけどそんなことないな)」

 

男「(……いや、ただ俺が幻想抱きすぎてただけか)」

 

………

……

 

男「使い方わかりましたか?」

 

女「…はい」

 

男「……」

 

女「あの…」

 

男「?」

 

女「ありがとうございました」

 

女「わざわざこんなことまでしていただいて…」

 

男「……家の前で人が倒れてたらほっとけないですよ」

 

女「すみません……」

 

男「まだまだやることは残ってるんですけど」

 

男「回復したなら経緯を説明してください」

 

女「…はい」

 

昨晩

ピチャ

女「雨か…」

 

女「……」

 

スタスタ

 

女「家戻ろう……」

 

スタスタ

 

自室

 

女「………」

 

グスッ

 

女「嫌われちゃった…」

 

女「………」

 

女「………」

 

女「謝りに行くのも許してくれないかなぁ…」

 

グスッ

 

女「どうしよう…」

 

翌朝

 

女「すごい雨…」

 

女「でも行こう」

 

女「ちゃんと謝りたい。新聞勧誘じゃなくて一人の知り合いとして」

 

女「…………」

 

女「きっと怒られるよね。泣かないようにしよう…」

 

昼 自宅前

 

女「どうしよう…」

 

女「そういえば呼び鈴が不快って言ってたよね…」

 

女「外出てくるの待とうかな」

 

女「……」

 

女「寒い……」

 

夕方 自宅前

 

女「雨も風もすごい…」

 

ベキッ

 

女「あ、折れた……」

 

女「……家に取りに帰ろうかな」

 

女「でもその間に出て行ったら……」

 

女「……どうしようどうしよう」

 

アセアセ

 

女「寒い…」

 

………

……

 

女「……うぅ」

 

女「…………」

 

女「…………」

 

バタッ

 

女「……こんな感じです」

 

男「まず翌日に謝りに行くのがおかしいですね」

 

女「すみません」

 

男「来るなって言われた翌日に行く発想がすごいです」

 

女「すみません……」

 

男「……」

 

女「今まで迷惑かけてばかりですみません」

 

女「面倒くさい女ですみません」

 

女「来るなって言われたのに来てしまってすみません」

 

女「見たくもない相手の介抱してくださってすみません。ありがとうございました」

 

女「このお礼はどんな形でもいいのでさせてほしいです」

 

女「これ以上関わりたくないならすぐに出て行きます」

 

女「どんなことをされても文句は言いません」

 

男「(土下座まで…)」

 

男「土下座なんてしないでください」

 

女「でも…」

 

男「また口答えですか」

 

女「す、すみません」

 

男「普通にしててください」

 

女「……」

 

ポロポロ

 

男「…………」

 

男「…………」

 

ギュッ

 

女「!」

 

男「抵抗しないでください」

 

女「……はい」

 

女「(きっと私抱かれるんだ…!)」

 

男「……」

 

ギュッ

 

女「暖かいです…」

 

男「……」

 

ナデナデ

 

男「すみません」

 

男「俺がいけないんです」

 

男「もっと早く家から出て気が付けばよかったんです」

 

男「すみません」

 

男「寒かったですよね…」

 

ギュッ

 

女「ちっちがいます!」

 

グスッ

 

女「男さんの悪いところなんてひとつもないです!」

 

ギュッ

 

男「……すみません。あんな雨の中で待たせてました」

 

女「わたしがかってにまってただけです」

 

ポロポロ

 

男「……」

 

男「迷惑してたのは確かですけど」

 

男「あんな状態になるのを望んでたわけじゃないんです」

 

男「……もう心配させないでください」

 

男「怖かったんです。冷たいし。声も小さかったし」

 

女「ごめんなさいごめんなさい…」

 

グスッ

 

男「……」

 

女「……」

 

ギュッ

 

男「監視したいくらいです」

 

女「監視ですか…?」

 

男「あまりにも危険なんでそうしたいですよ」

 

女「……そこまで迷惑かけられません」

 

女「もう私に会うのもきっとイヤだと思います」

 

男「たしかに勧誘は一生されたくないですね」

 

女「……そ、そうですよね」

 

男「……」

 

男「……」

 

男「もう十分楽しめました」

 

女「……?」

 

男「チャンスだと思ったんです」

 

男「今までの憂さ晴らしでもしようかと思って…」

 

男「もちろん体調悪化させるとかいうことはしたくないので違う方向で…」

 

女「だからお風呂に突撃しようとしたんですか?」

 

男「結局やるのが怖くてできませんでした」

 

女「……」

 

女「じゃあノーブラノーショーツで服を着せたのも…」

 

男「そうです。ああいうのが好きなんです」

 

女「!」

 

男「抱きついたりしてすみませんでした」

 

男「予定にはなかったんですけどやってしまいました」

 

女「そうだったんですか…」

 

女「暖かくて気持ち良かったです」

 

男「……」

 

男「……」

 

男「じゃあ最後に……」

 

女「?」

 

男「はい、俺の携帯です」

 

女「??」

 

女「なんですか?」

 

男「通報してください」

 

男「行き倒れの子を家に運んで脅したんです」

 

男「捕まって当然です」

 

女「通報なんてしません!」

 

男「…………」

 

男「口答えするんですか?」

 

女「します!!」

 

男「!」

 

女「通報するようなことされてません!」

 

女「全部うれしかったです!」

 

女「抱きしめられた時も犯されるんだと思ってました!」

 

男「そんなことしませんよ」

 

女「それでもいいと思えるくらいうれしかったんです!」

 

女「お風呂の時も来るまで待つべきか迷ってました!」

 

男「……そうだったんですか」

 

女「今もジャージの下スースーしてますけど男さんの好みならそれでもいいです!」

 

男「…………」

 

女「だから…」

 

女「通報なんてしませんから男さんが好きなことしてください…!」

 

男「!」

 

女「恥ずかしくてもそれくらい平気です!」

 

男「……」

 

女「ドキドキして暑くなってきました…」

 

女「セーター脱いでもいいですか?」

 

男「……寒くならないならいいですよ」

 

女「……」

 

ヌギヌギ

 

男「(やばいやばい今まで耐えてたのに…!)」

 

女「…………」

 

女「いつの間にか好きになってたんです」

 

女「押しに弱そうな人なら3日くらい通うこともあるんですけど」

 

女「契約できそうな気配もないのに男さんのところに行きたくて行きたくて…」

 

グスッ

 

女「どれだけ追い返されても……契約とかどうでもよくて……」

 

グスッ

 

女「ただ男さんに会いたくて…!」

 

女「いつもいつも自分勝手でごめんなさい…」

 

ポロポロ

 

男「これ以上泣かないでください」

 

男「そんなに謝らなくても大丈夫です」

 

男「十分伝わってます」

 

女「ありがとうございます…」

 

男「笑ってください」

 

女「…はい!」

 

男「(自分でかわいいとか言ってるだけのことはあるな…)」

 

男「好きって言ってくれてうれしいです」

 

女「!」

 

男「今はまだ好きって断言できないですけど一緒にいたいと思うんです」

 

男「今日これだけの事しておいてわがままなのは分かってます」

 

男「でももっと知りたいです」

 

男「ほっとけないっていうのもありますけど」

 

女「……はい」

 

女「また泣きそうです…」

 

男「…………」

 

男「女さん」

 

女「!!」

 

男「俺と……」

 

女「……」

 

男「付き合ってくださ」

 

女「ま、待ってください!!!」

 

男「!」

 

女「だめです……」

 

女「男さんとは付き合えないです…!」

 

女「男さん優しいから…」

 

女「責任とって付き合うって言ってくれてるんですよね?」

 

女「昨日まで顔も見たくないと思ってたはずですし…」

 

女「ていうかそれは今もですかね、あはは」

 

男「…………」

 

女「さっき携帯で通報して、とか言ったくらいですから」

 

女「付き合う覚悟くらいは男さんならすぐできちゃいそうです!」

 

男「……」

 

男「(こんなに鋭いならもう少し上手く新聞勧誘できるんじゃないのか)」

 

女「今から彼女にしてもらえるように頑張ります!」

 

男「…………」

 

女「あと、ドキドキしました」

 

男「?」

 

女「さっき初めて名前で呼んでくれましたから」

 

ニコッ

 

男「……」

 

男「すみません」

 

男「中途半端な気持ちで振り回して」

 

女「そんなことないです」

 

女「騙すってより優しさで言ってくれたのは分かりますから」

 

男「……」

 

女「だから嘘でも告白されたみたいでうれしかったです」

 

男「(……なんだかすごい罪悪感が)」

 

男「そうですか…」

 

女「いつか好きって言わせて見せます!」

 

男「……」

 

男「女さんならすぐ達成できそうです」

 

女「ふふ、ほんとですか?」

 

女「お世辞でもうれしいです」

 

女「あの…」

 

男「?」

 

女「ちょっと恥ずかしいことさせたりしたのって…」

 

女「憂さ晴らしが目的だったんですよね?」

 

男「……まぁ一応」

 

女「その最中は…」

 

女「少しくらいは興奮しました?」

 

男「…………」

 

男「……軽蔑されそうですけど一応男なんで」

 

女「じゃあ今誘惑しても興奮しますか…?」

 

男「……多分。というか絶対」

 

女「…………」

 

女「服の上からさわってみます?」

 

男「!」

 

男「え、今からですか…」

 

女「はやく好きになってもらいたいので今すぐ頑張りたいです!」

 

男「強引さはこの状況でも変わらないんですね」

 

女「……だ、だめですか?」

 

男「新聞勧誘じゃないならイヤじゃないですよ」

 

女「よかったぁ」

 

男「(むしろ歓迎)」

 

女「……」

 

女「近くで見てみます?」

 

男「……は、はい」

 

女「近くだと透けて…」

 

男「……」

 

ドキドキ

女「んっ…」

 

女「(吐息が…)」

 

女「手貸してください」

 

男「……いいんですか」

 

女「どこがいいですか?」

 

男「(どうしようどうしよう)」

 

女「キスでもいいですよ」

 

女「それか…」

 

女「私が触った方がいいですか?」

 

男「(どうしようどうしよう)」

 

女「焦らさないで早く決めてください…」

 

ピーーーーーーーーーーーー!!!!!

男・女「!?」

 

女「な、なんですか今の音」

 

男「……あー」

 

男「洗濯機です。そういえば女さんの服洗濯してましたね」

 

女「…………」

 

女「うぅ…」

 

女「(ムードが…)」

 

男「すみません。雰囲気壊してしまって」

 

女「いえ、はやすぎたのかもしれません」

 

女「焦っちゃいました…」

 

女「ごめんなさい」

 

男「謝らなくたって…」

 

女「……」

 

男「女さんかわいかったです」

 

女「!」

 

男「これは本当です。お世辞でもなんでもないです」

 

女「う、うれしい…」

 

グスッ

 

男「……」

 

男「下着どうしますか?」

 

女「?」

 

男「乾燥機能も付いてる洗濯機ですからもう着られますよ」

 

女「あ、そうなんですか」

 

男「アイマスクするんで着てください」

 

スッ

女「(別に男さんになら見られてもいいのに…)」

 

ヌギヌギ

 

………

……

 

男「送っていきますよ」

 

女「いいです。これ以上お世話してもらうなんて…」

 

男「まだ雨降ってますし…」

 

男「それにもう少し一緒にいたいんです」

 

女「!」

 

女「……」

 

女「そ、それならまだ家にいたいです…」

 

男「それはダメです」

 

男「もう遅いですから」

 

男「親も心配するんじゃないですか?」

 

女「一人暮らしです!」

 

男「だとしてもダメです」

 

男「明日は予定があるんです」

 

女「……すみません。甘えてばっかりで」

 

男「分かってくれたならいいんです」

 

女「……」

 

………

……

女「ここで大丈夫です」

 

男「了解です」

 

女「わざわざありがとうございました」

 

男「いえいえ」

 

女「連絡先交換したいです!」

 

男「そうですね。忘れるところでした」

 

女「順序が逆になってしまいましたね」

 

カチカチ

 

男「たしかに」

 

カチカチ

 

ピピッ

 

女「よし。完了しました」

 

女「じゃあまたメールします!」

 

男「わかりました」

 

………

……

 

自宅

 

男「長い一日だったな」

 

男「……メール来てる」

 

カチカチ

 

『明日は行けそう?』

 

男『あぁ。ジブリでもなんでも行こう』

 

カチカチ

 

『よろしい』

 

男『ちなみに他の候補は?』

 

カチカチ

 

『んー、少女漫画の実写化と洋画アクションかな』

 

男『んじゃジブリにしよう』

 

『おっけー。いつものとこに14時ね』

 

男『了解』

 

翌日 駅前

 

男「悪いな。昨日行けなくて」

 

「謝っても焼肉はなくならないよー」

 

男「……やっぱりダメか」

 

「当たり前でしょ」

 

「ドタキャンしたんだから」

 

男「……申し訳ない」

 

「んじゃ行きますか」

 

男「うむ」

 

映画館

「……うー」

 

男「いつもより混んでるな」

 

「ジブリは初週だからかな」

 

男「なるほど」

 

「何買う?」

 

男「今日は塩にしよう」

 

「前の味噌は失敗だったね」

 

男「たしかに」

 

「てかさ、さっきの話だけど」

 

男「……」

 

「やらしいことしたから付き合って責任取るって発想がすごいね」

 

男「それでも見抜かれて断られたからな」

 

「強引なんだか奥手なんだか」

 

自宅

 

女「今日は仕事ないけど…」

 

女「これからどうやって男さんと会えばいいのかなぁ」

 

女「勧誘には行けないし…」

 

女「……」

 

女「今日は一人でどこか遊びに行こうかな」

 

女「そういやジブリ公開したんだっけ」

 

女「よし。映画見に行こう」

 

女「一人でも大丈夫だよね…?」

 

映画館

 

女「(結構人いる…)」

 

女「(ジブリは………)」

 

女「(最後以外完売してる…!)」

 

女「…………」

 

女「(さすがにそんなに待ちたくないし)」

 

女「(他の映画にしようかな)」

 

「なかなか良かったね」

 

男「だな」

 

「さすがジブリ」

 

男「混んでるのも納得だ」

 

女「!」

 

女「(あ、あれって男さん…?)」

 

ジー

 

女「(やっぱりそうだ!)」

 

女「(女の人と一緒にいる…)」

 

女「(誰だろう)」

 

女「(背低くて可愛らしい人だなぁ…)」

 

男「ナウシカ見たくなってきた」

 

男「借りて帰ろう」

 

「私も見たい」

 

「家行っていいよね」

 

男「焼肉2回にしてくれ」

 

「……まぁしょうがないか」

 

男「家来たら冷蔵庫開ける?」

 

「開ける」

 

男「じゃあ1回」

 

「…………わかった」

 

男「じゃあ行こう」

 

女「(楽しそう…)」

 

女「(それに家に行くって…)」

 

帰路

 

女「(け、結局ついてきちゃったよ…)」

 

女「(映画も見てないのに)」

 

女「(これじゃあストーカーだ…)」

 

コソコソ

 

男「……」

 

カチカチ

 

「んー私がいるのに携帯触るんだ」

 

男「そりゃもちろん」

 

カチカチ

 

「あらら」

 

男「昨日のうちに送るつもりだったのを忘れてて」

 

カチカチ

 

「ふーん」

 

「そんなに好きなんだ。私がいるのに」

 

男「なんで微妙に張り合ってくるの」

 

カチカチ

 

「だってー」

 

男「よし送信」

 

ヴィィィィン

 

女「ひゃっ!!」

 

女「…び、びっくりしたぁ」

 

女「携帯のバイブにこんなに驚くなんて…」

 

女「どれだけ神経とがらせてt」

 

男「……」

 

ポカーン

 

「……」

 

ポカーン

 

女「……」

 

ポカーン

 

男「……あ、女さん」

 

女「あ、あの、えと」

 

「この子が…」

 

男「偶然ですね」

 

女「ち、違うんです」

 

女「映画館で男さん見つけて」

 

女「たのしそうにしてて」

 

女「きになってきになって」

 

女「あの、その…」

 

アセアセ

「ストーカーってことね」

 

男「!」

 

男「なんて直接的」

 

女「……」

 

女「その通りです」

 

男「……女さんも家来ます?」

 

女「……いいんですか?」

 

「えー」

 

男「文句言わないで」

 

「だって二人きりの濃密な時間を過ごすはずだったのに…」

 

女「!」

 

女「(……彼女さん?)」

 

女「(あの時告白してくれたのは…)」

 

女「(もしかして私が断るのも見越して言ってくれただけなのかな)」

 

男「女さん黙らせるなよ」

 

「はいはい、すみませんでした」

 

男「家来てくれる?」

 

女「……はい。ありがとうございます」

 

「(からかうの面白いな…)」

 

自宅

 

女「……お邪魔します」

 

「さて何食べようかな」

 

男「さっそくか」

 

「まぁまぁ」

 

男「そういやナウシカよかったのか?」

 

「うん」

 

「他の楽しみができたからね」

 

男「?」

 

女「(こうやって家にまで来て仲良くするなんてまるで……)」

 

女「!」

 

女「も、もしかして…」

 

「…………」

 

「私、男君の妹じゃないよ」

 

男「いきなり何言ってんの」

 

「だってその子が勘違いしてる気がしてたからさ」

 

女「(……ち、違うんだ)」

 

男「……」

 

男「女さん」

 

女「……なんですか?」

 

男「この人は俺の担当で友って言うんです」

 

女「…た、たんとう?」

 

友「なんでバラしちゃうかなー」

 

男「俺だって言いたくなかったよ」

 

女「担当ってどういうことですか?」

 

男「……作家なんです」

 

友「売れない」

 

男「売れないじゃなくて売れてない」

 

友「私が担当ってのはバレてないと思ってたけど…」

 

友「家に来たことあるんでしょ?」

 

女「一応…」

 

友「それなのに作家ってのも知らなかったんだ」

 

男「俺が隠してたから」

 

女「(……この人は仕事仲間だったのか)」

 

女「(ちょっと安心)」

 

女「(……ていうか男さん作家なんだ。どんなの書いてるんだろう)」

 

友「男君」

 

男「ん?」

 

友「この子彼女にするの?」

 

女「!」

 

男「当人目の前にしてなんてこと…」

 

友「真面目に聞いてるだけ」

 

男「……ま、まだ分からない」

 

男「というか俺は告白を断られた側だから」

 

男「いや、断られたというか止められたというか…」

 

アセアセ

女「こ、断ったわけじゃないんですよ」

 

女「男さんが本気で好きになってないのに無理に言わせたような物だったので」

 

アセアセ

 

友「(かわいいなこの子)」

 

友「(最初は仕事に影響出そうだし反対したかったけど…)」

 

友「いい刺激になるかも」

 

男「?」

 

友「ちょっと男君」

 

友「手間のかかるご飯が食べたい」

 

男「いつもの冷食は?」

 

友「いやだ。彼女も来てるんだからそれくらい振る舞いなって」

 

女「ま、まだ彼女じゃ…!」

 

男「わかった。じゃあ作ってくるよ」

 

友「素晴らしい」

 

女「あ、ありがとうございます」

 

男「いいんですよ女さんは」

 

友「そういうのいいからはやく」

 

男「…………」

 

………

……

 

友「さて」

 

女「……あ、あの」

 

友「ん?」

 

女「お二人の邪魔してすみませんでした」

 

女「濃密な時間を過ごすって言ってたましたよね…」

 

友「あれはあなたの反応が面白そうだと思って言っただけだよ」

 

友「ストーカーなんて言って私こそごめんね」

 

女「いえ、本当のことですし…」

 

友「これまでの話聞かせてよ」

 

友「男君からは断片的にしか聞いてないからさ」

 

女「……恥ずかしいです」

 

友「仲取り持ってあげるから」

 

………

……

 

30分後

 

女「……こんな感じですかね」

 

友「…………」

 

友「(思ってた数倍強烈な子だ…)」

 

友「(これをネタに一本書いてほしいくらい…)」

 

女「……やっぱり引きますよね。すみません」

 

友「そんなことないよ」

 

友「男君のことよく想ってるみたいだから私も嬉しい」

 

女「よ、よかった」

 

ニコッ

 

友「(……なんだかすごい罪悪感が)」

 

友「まぁそれより」

 

女「?」

 

友「これからも勧誘続けてみればいいと思うよ」

 

友「毎日会える口実にもなるし」

 

女「で、でも男さんに一生されたくないって…」

 

友「いいのいいの」

 

友「次は商品を変えればいいから」

 

女「変える…?」

 

友「そのためには少し頑張らないといけないかもしれないけど」

 

女「…どういうことですか?」

 

友「えーとね…」

 

………

……

 

男「これで満足?」

 

友「うむ」

 

女「おいしいです男さん」

 

男「それはよかった」

 

友「うまいうまい」

 

友「作家やめて料理人になれば?」

 

男「……俺は書く仕事がしたいんだ」

 

友「じゃあグルメ評論家」

 

男「…………」

 

友「冗談だって」

 

女「…男さんが書いたもの見てみたいです」

 

男「うーん…」

 

友「とってきてあげようか」

 

男「ま、待って」

 

女「だめですか?」

 

男「気恥ずかしいというか…」

 

男「(こう言われると思って隠してたのに…)」

 

女「分かりました」

 

女「男さんが見てもいいって言ってくれるまで待ちます!」

 

男「ありがとう…」

 

友「(いい雰囲気じゃないか)」

 

翌日 夜

 

コンコン

 

男「はーい」

 

ガチャ

 

女「……こんばんは」

 

男「女さん…!」

 

女「来ちゃいました」

 

男「びっくりした…」

 

男「ていうかいつものスーツじゃないですね」

 

男「今日も仕事お休みだったんですか?」

 

女「いえ、朝からずっと働いてました」

 

女「勧誘は下手なんで営業所の中でも最下位争いばかりだったんですけど」

 

女「夜は男さんに会うのをご褒美にしようって思ったら頑張れました」

 

男「……」

 

女「土日はなるべく休み取りたいんで平日の朝から夕方までで」

 

女「せめてノルマはクリアしたくて…」

 

女「そしたら男さんに会える時間も取れそうですし」

 

ニコッ

 

男「……」

 

男「夜は仕事に充ててないんで家にはいつもいます」

 

男「土曜日は毎週映画に行くので…」

 

男「日曜日ならいつでも大丈夫です」

 

女「ほ、ほんとですか」

 

女「うれしいです」

 

女「それだけたくさん会えると思えばつらくても平気です!」

 

男「(俺も頑張らないと…)」

 

男「今日は遊びに来たんですか?」

 

男「家あがります?」

 

女「…………勧誘に来たんです」

 

男「勧誘ですか…」

 

男「まぁ今なら契約してもいいですけど」

 

男「ノルマのためにも…」

 

女「新聞じゃないです」

 

男「?」

 

女「私です」

 

男「え?」

 

女「私を売りに来ました」

 

男「なにを」

 

女「一ヵ月試しにとってみませんか?」

 

女「サービスしますよ」

 

男「サ、サービスって…」

 

女「わかりますよね?」

 

女「大人なんですから」

 

ピリリリ

 

女「あ、時間です」

 

男「!」

 

女「今日の勧誘はここまでにします」

 

女「急にすみませんでした」

 

男「は、はい」

 

男「それは構わないんですが…」

 

女「では失礼します」

 

バタン

 

男「行ってしまった…」

 

男「……」

 

男「どんなサービスだったんだろ……」

 

翌日 夜

 

ピリリ

 

男「メールか…」

 

カチカチ

 

女『今日は勧誘に行けそうにありません』

 

男『そうですか。お仕事お疲れ様です』

 

女『今日こそはサービスできたら、と思っていたのですが』

 

男「…………」

 

男『その気持ちだけでうれしいです』

 

女『男さん意外と冷静なんですね』

 

女『またいつか勧誘しに行きます』

 

男「いつか…」

 

男「…………」

 

翌日 夜

 

男「…………」

 

男「…………」

 

男「来ないな…」

 

男「メールもないし…」

 

男「…………」

 

男「さみしい気もする」

 

男「…………」

 

男「仕事忙しいみたいだし」

 

男「しょうがないか…」

 

男「…………」

 

男「他の家で新聞勧誘してると思うと変な感じだ…」

 

男「ノルマ取るために頑張ってるんだろうな」

 

男「…………」

 

翌日 夜

 

男「…………」

 

男「…………」

 

ピリリリ

 

男「!」

 

男「電話だ」

 

ピッ

 

男「もしもし」

 

女「ふふ。こんばんは」

 

男「なんで笑うんですか」

 

女「だって電話取るのすごいはやくて…」

 

男「(メール待ってて携帯持ってたなんて言えない)」

 

男「そうですか」

 

女「やっぱり冷静ですね」

 

男「……どうでしょう」

 

女「ふふ」

 

女「昨日はすみませんでした」

 

男「……何がですか?」

 

女「勧誘待っててくれたのかもしれないと思ったんですけど…」

 

女「そんなことないですか?」

 

男「あー」

 

男「待ってたと言えば待ってたような…」

 

女「…………」

 

女「そうですか」

 

女「反応も微妙そうなので少しショックです」

 

男「い、いや…」

 

女「冗談ですよ。私がショック受けるのなんてどうでもいいですよね」

 

男「…………」

 

翌日 夜

 

男「待ってたよちくしょう」

 

男「新聞勧誘の時はあんなに会えたのに…」

 

男「…………」

 

男「電話してみるか」

 

男「……」

 

ピリリリ

 

男「…………」

 

男「…………」

 

男「出ない…」

 

………

……

 

ピリリリ

 

男「!」

 

男「メールか…」

 

友『明日15時からで』

 

男「友か…」

 

男『了解』

 

男「…………」

 

男「会いたいな…」

 

翌日 映画館

 

友「今日は決めなかったけどどうする?」

 

男「んあ」

 

友「んあじゃないよ」

 

男「B級パニック映画を観たい」

 

友「今あるかな…」

 

男「…………」

 

3時間後

 

男「……」

 

ポケー

 

友「男君が観たいって言ったのにほとんど上の空だったね」

 

男「んあ」

 

友「んあじゃねーよ」

 

友「焼肉行くぞ」

 

焼肉

 

友「しゃきっとしろ」

 

男「……うん」

 

友「まったく…」

 

男「もしかしてだけどさ」

 

友「あ?」

 

男「女さんになんか入れ知恵した?」

 

友「少しだけ」

 

友「自分を勧誘してみれば?って」

 

男「……それだけだったのか」

 

友「すごいはまりようね」

 

モグモグ

 

男「正直すごい会いたい」

 

男「前みたいに毎日来てほしいくらい」

 

友「(あれだけ嫌がってたのが嘘みたいだ…)」

 

友「〆切を守れるなら何も言わない」

 

男「それはきっちりやってる」

 

男「むしろ励みになってる気もする」

 

友「そりゃよかった」

 

男「……そろそろ一本書き終わりそうなんだ」

 

翌日

 

男「…………」

 

男「しゃきっとしないと…」

 

ピリリリ

 

男「!」

 

ピッ

男「も、もしもし」

 

女「男さんはやーい」

 

男「そんなことないですよ…!」

 

女「金曜日お電話くれましたよね?」

 

男「はい。忙しい時にかけてしまってすみませんでした」

 

女「いえいえ」

 

女「昨日のうちにかけ直そうかと思ったんですが」

 

女「土曜日は友さんと映画の日……でしたよね?」

 

男「一応そうですね…」

 

女「だから今日電話しようと思いまして」

 

女「あの時は何か用事があったんですか?」

 

男「いえ、特別用事があったわけでは…」

 

女「……」

 

女「そうでしたか」

 

男「ただ女さんと話がしたくて…」

 

女「それはうれしいですね」

 

女「ありがとうございます」

 

男「あ、あの…」

 

男「今時間あるなら遊びませんか?」

 

男「家に来てくれてもいいですし…」

 

女「……遠慮しておきます」

 

女「またいつか行きたいですね」

 

翌日

 

男「……」

 

カタカタ

 

男「……」

 

カタカタ

 

男「……」

 

カタカタ

 

男「……」

 

カタカタ

 

男「ふー」

 

男「……」

 

男「……」

 

男「いつかっていつだよ!!!!!」

 

男「おっと叫んでしまった」

 

男「ははは」

 

男「……」

 

カタカタ

 

男「……」

 

カタカタ

 

男「……」

 

カタカタ

 

翌日

男「……」

 

カタカタ

 

男「……」

 

カタカタ

 

男「……」

 

カタカタ

 

男「……」

 

カタカタ

 

ピリリ

 

男「!」

 

男「メールだ」

 

『30,000ptプレゼント!』

 

男「……」

 

男「……」

 

男「迷惑メールをこんなに迷惑だと思ったのは初めてだ」

 

ピリリ

 

『1,000,000ptプレゼント!!』

 

男「……」

 

男「……」

 

男「桁違いに迷惑」

 

翌日

男「……」

 

カタカタ

 

男「……」

 

カタカタ

 

男「……」

 

カタカタ

 

男「……」

 

カタカタ

 

男「ふー」

 

男「……」

 

男「……」

 

男「会いたい!!!!!!」

 

ピンポーン

 

男「!!」

 

男「は、はーい」

 

ガチャ

 

隣人「うるさい」

 

隣人「叫ぶな」

 

男「……はい」

 

男「すみませんでした」

 

………

……

 

男「はぁ…」

 

男「(何やってんだ俺は!!!!)」

 

翌日

 

男「……」

 

カタカタ

 

男「……」

 

カタカタ

 

男「……」

 

カタカタ

 

男「……」

 

カタカタ

 

男「いやー」

 

男「作業が進む進む」

 

男「……」

 

男「悲しいほどに進む」

 

男「……」

 

男「……」

 

カタカタ

 

男「……」

 

カタカタ

 

男「……」

 

カタカタ

 

男「……」

 

カタカタ

 

翌日 夜

 

男「結局先週の月曜日から会ってないのか……」

 

男「もうどうにかなりそう」

 

男「もしかして他に好きな人が……」

 

男「…………」

 

男「書いて集中するか」

 

男「…………前に完成したの書き直そう」

 

男「……」

 

カタカタ

 

男「……」

 

カタカタ

 

男「……」

 

カタカタ

 

………

……

 

コンコン

 

男「!」

 

ガチャ

 

女「……」

 

男「お、女さん…!」

 

女「……」

 

男「お、俺会いたかったんです」

 

男「ずっと女さんのこと気になってて」

 

女「……」

 

男「……好きです」

 

男「女さん好きです!」

 

女「……」

 

男「ど、どうしたんですか?」

 

男「ずっと下向いて…」

 

女「……」

 

女「え」

 

女「えへ」

 

男「!」

 

女「えへへ」

 

女「すき!」

 

ギュッ

 

女「私もだいすきです!」

 

男「……うれしいです」

 

女「えへへ」

 

女「にやにやがとまりません」

 

男「会いたかったです女さん」

 

女「えへ」

 

女「私もですよ!」

 

ギュッ

 

男「俺嫌われたのかと思ってました」

 

女「えへ」

 

女「そんなわけないです!」

 

男「連絡もあんまりなかったし」

 

男「来る回数も…」

 

女「えへ」

 

女「数日置く作戦の強化版です!」

 

女「えへ」

 

男「……」

 

ギュッ

 

女「!」

 

女「んっ」

 

女「えへ……」

 

ポロポロ

 

女「うぅ……」

 

女「えへへ」

 

グスッ

 

女「うれしい…」

 

女「会いたかったです…!」

 

女「うれしいのに泣いちゃいました」

 

男「えへってのは取れないんですか」

 

女「んふ」

 

女「えへ」

 

女「口角上がりっぱなしです」

 

女「ふふ」

 

女「好き好き」

 

男「お、俺もです!」

 

女「えへ」

 

女「私たちさっきから同じことしか言ってないですね」

 

男「かわいいからそれでいいです」

 

女「えへ」

 

女「もっと褒めてください!」

 

……

 

1時間後

 

男「狙ってたんですか?」

 

女「はい」

 

女「前に新聞勧誘してた時も最初は12日連続でしたから」

 

女「今回もその期間で頑張ろうと思ったんです!」

 

男「……」

 

男「そんな回りくどいこと…」

 

女「会えない期間が長いほうが考えてくれるはずですし!」

 

男「いやほんとその通りです」

 

男「途中どれだけ苦しかったか」

 

女「私の方が苦しかったです!」

 

女「電話する時もそっけなくしないといけないし…」

 

男「なんでそんなことするんですか」

 

女「会えない+そっけない方が好きになってくれると思って…」

 

男「もう好きですよ」

 

男「すごい好きです」

 

女「えへ」

 

女「すきー」

 

男「(かわいいなぁ…)」

 

男「(会ってからずっとかわいいとしか思ってない…)」

 

男「…………」

 

男「言っていいですか?」

 

女「んー?」

 

女「なぁに?」

 

男「俺と付き合ってください!」

 

女「(ここは絶対にやにやしちゃだめ……)」

 

女「はい!」

 

女「えへ…」

 

30分後

 

男「……」

 

女「……」

 

男「途中…」

 

女「ん?」

 

男「暖房消したけど大丈夫でした?」

 

女「消してたんですか」

 

女「夢中になってて気が付きませんでした」

 

男「そうですか」

 

女「それに全然寒くなかったですよ」

 

女「すごい熱くなりました」

 

男「俺もです」

 

女「……」

 

ギュッ

 

男「もう満足しました?」

 

女「……そんなの聞かないでくださいよ」

 

男「俺はもうどっちでもいいんですけど」

 

女「うぅ…」

 

男「女さんはどうしたいですか?」

 

女「えーと…」

 

女「……もうちょっとだけしたいです」

 

男「そうですか」

 

女「聞き方がずるいです!」

 

男「ずるくないですよ」

 

女「……」

 

女「(やり返したい…)」

 

女「……その前に少しお風呂借りたいです」

 

女「(身体キレイにしておきたいし…)」

 

男「わかりました」

 

男「タオル用意しときますね」

 

女「…………」

 

女「一緒に入りたいですか?」

 

女「私はどっちでもいいんですけどね」

 

女「男さんはどうしたいでs」

 

男「もちろん一緒に入ります」

 

女「あ、あれっ…」

 

男「?」

 

男「どうしたんですか?」

 

女「私が思ってた感じと違います!」

 

………

……

 

お風呂

 

女「ほ、ほんとに一緒に入るんですか」

 

男「いまさら何言ってるんですか」

 

女「だって…」

 

男「さっきも熱くなってたじゃないですか」

 

女「トランプに、です」

 

男「あぁそうでした」

 

男「でも女さんからトランプしたいって言ったんですよ」

 

ゴソゴソ

 

女「だ、だって心の準備とか…」

 

女「……って何してるんですか?」

 

男「……」

 

男「新品があってよかったです」

 

女「?」

 

男「……」

 

ゴシゴシ

 

女「ひょ、ひょっとまってくらはい…!」

 

男「?」

 

女「自分で出来ます!」

 

男「?」

 

ゴシゴシ

 

女「ふぁみあきくあい…」

 

男「言えてないですよ」

 

ゴシゴシ

 

女「あぁぁ…」

 

男「奥までしないと」

 

ゴシゴシ

 

トロー

 

女「!」

 

女「や、やっ」

 

男「?」

 

ゴシゴシ

 

女「(よだれが…!)」

 

男「俺がやりたいんです」

 

ゴシゴシ

 

女「ひょんあこといあえても…!」

 

男「?」

 

ゴシゴシ

 

女「んっ…」

 

男「……」

 

ゴシゴシ

 

男「……」

 

ゴシゴシ

 

男「(楽しい…)」

 

ゴシゴシ

 

女「(は、恥ずかしい…)」

 

男「終わりです」

 

女「ひゃい…」

 

男「出してください」

 

女「べー…」

 

男「満足」

 

女「はぁはぁ…」

 

男「なんだか疲れてますね」

 

女「男さんのせいです…」

 

男「すみません」

 

女「頑張ったご褒美ください」

 

男「……」

 

男「何がいいですか?」

 

女「…………」

 

女「キスがいいです」

 

男「…………」

 

スッ

 

女「んっ…」

 

女「……も、もっとっ」

 

男「…………」

 

ペロ

 

女「やっ…」

 

男「やめたほうがいいですか?」

 

女「やだ…」

 

男「俺もです」

 

女「……うれしい」

 

女「……」

 

ギュッ

 

……

 

2時間後

 

 お風呂

 

男「…………」

 

女「…………」

 

男「満足」

 

女「わたしもです!」

 

ニコッ

 

翌日 朝

 

友「深夜にメールきてたのか」

 

男『悪い、映画日曜に変更したい。明日はずっと家にいる』

 

友「またドタキャンか」

 

友「せっかく週一のリフレッシュタイム設けてやってんのに」

 

友「…………まぁ上手くいったみたいだからいいか」

 

友『寿司3回で許そう』

 

夜 自宅

 

女「……さすがにもう帰らないとだめですね」

 

女「このままじゃずっと部屋にいてしまいそうです」

 

女「それに仕事の準備もしないといけないので」

 

男「そうなんですか」

 

女「もう少しで成績上位グループに届きそうなんです!」

 

男「すごいじゃないですか」

 

男「前は最下位争いしてたって言ってたのに」

 

女「あれからただ焦らしてたわけじゃないです!」

 

女「男さんに頑張ったの認めてもらいたくて」

 

男「俺はそんな人を認める立場の人間じゃ…」

 

女「好きな人に認めてもらいたいのってそんなにおかしいですか?」

 

男「!」

 

男「……えらいです女さん」

 

男「俺も認められるように頑張ります」

 

女「……」

 

ニコッ

 

女「そうだ…」

 

女「男さんが書いたもの見てもいいって昨日言ってくれましたよね?」

 

男「……はい。言いましたよ」

 

女「よかった。あのときは興奮しててあんまり記憶がないので…」

 

女「でもしっかり読ませてもらいました」

 

男「え、本棚から探せました…?」

 

女「いえパソコンに打ち込んでいたのを見ました」

 

男「!!」

 

男「(勧誘をネタにしたやつか…)」

 

男「ていうかいつの間に見たんですか」

 

女「男さんが疲れ果てて寝てるときです」

 

女「あの押しかけ宗教勧誘女って私がモデルですよね?」

 

男「……そうです」

 

女「やっぱりそうでしたか」

 

女「すごい面白かったんですけど最後は納得いきませんでした」

 

女「……素人が生意気言ってすみません」

 

男「そんなことないですよ。意見言ってくれてうれしいです」

 

1時間後

 

 自宅

男「まさかあれを見られるとは…」

 

男「最後が気に食わなかったってのは…」

 

男「ちょうど女さんが来る前に書き直したところだな」

 

男「……また見直さないとな」

 

カタカタ

 

男「……」

 

男「!!」

 

男「わざわざこんなことしてくれたのか…」

 

男「…………」

 

男「…………」

 

男「売れよう」

 

男「…………」

 

男「…女さんに電話しないとな」

 

カチカチ

 

【テキストエディタ】

………

……

来るとき、来てから、嵐のようにインパクトを残したのが嘘のように
押しかけ宗教勧誘女は、あっさり男の元から消えていた。

 

なんですかこの終わり方は!
変えます!

 

宗教勧誘女もとい新聞勧誘をきっかけに知り合った女と
優しくて彼女一筋の作家である男は
出会いから数年で結婚し、子供を二人つくり
幸せな家庭を築きました!

 

以上!!

 

感想は電話で伝えてください!!
いつでも待ってます!!

 

終わり

 

 

 

引用元:

女「サービスしますので一ヵ月だけでも新聞取ってください!」

http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1389067280/

http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1389084133/

 

 


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